2001 ALFA147 Selespeed

新車から乗っていただき、3万kmをあとにした147のセレスピードがシフト不良を起こすということで入庫してきました。普段の利用は市街地走行がメインとのこと。「シフトフォークが磨耗したのかもしれない」ということでミッションを下ろして分解整備することにしました。

そのために、まずフロントタイヤ、マフラー、センターフレーム、クロスメンバーを外します。写真の左下に置いてあるのが外した部品です。

ミッションを下ろしたあとの左フロントです。円盤状のダイヤフラム(クラッチ)が見えています。レリーズベアリングの当たる爪の部分も意外に磨耗しています。ちょっと早いかもしれませんが、今回クラッチ交換も行ないます。
クラッチをフロント側からみると黒くオイル漏れしています。この程度の滲みは深刻な問題ではありませんが、今回はクラッチ交換を行なうので、あわせて対策を施します。
これが下ろしたミッションです。
ミッションを反対側から見たところ。中央のシャフトにレリーズベアリングがはまっていました。
左が新品、右が外したレリーズベアリングで、中央の金色のリングが軽く空転して、新品の手ごたえがなくなっています。このまま使い続けるとシリンダーが壊れてしまうので交換します。

MT車でクラッチを踏んだまま信号待ちしたり、半クラッチを多用すると、この部品に余分な負荷がかかるわけです。

セレスピードに関して今後、お客様もわたしたちもネガティブな気持ちで付き合っていきたくありません。そこで、セレスピードのミッション内部を確認しようということになりました。

セレスピードといってもミッション自体は通常の5MTです。

メインシャフトとカウンターシャフトが出てきました。
ほぼ分解は完了です。
今回は問題ありませんが、スパナで指し示しているシャフトの支点が割れてシフト不良を起こすこともあるとか。
手で持っているのがシフトフォーク。これでリングを左右に動かすことで3速と4速ギアをシャフトに固定します。このリングを手で動かてみたところ、意外に固くて力が要ります。
3〜4速のシフトフォークとシンクロを交換して、きちんと組みなおしたところ、シフトミスもなくなりました。

今回の作業は、クラッチ交換も含めて25万円かかりましたが、お客様に試乗していただいたところ「変速するときの音も静かになり、つながりも滑らかになりました。セレスピードの世間の評判を聞いて不安だったけれど、それが解消されました」。

「セレスピードは壊れる」というのでなく、わたしたちも引き続きノウハウを蓄積して「ここさえ押さえておけば安心」というご案内をしていきたいと思っています。

▼後日談
2004/02/28
5ヶ月間で1万kmほど走ってから車検のために入庫してきました。
オーバーホールしたミッション(セレスピード)の調子も良好で、オイル漏れも見られません。