1996 MASERATI GHIBLI (6MT)

クラッチが切れなくなって立ち往生したマニュアルのギブリが入庫しました。

同様のトラブルを過去に2件シュートしている経験から今回もクラッチレリーズの破損からくるトラブルと予測し、入庫後は速やかに原因確認に入りました。また個体の走行距離から早めのクラッチ交換もすることにしました。

クラッチ交換のためにはミッションを下ろさなければなりません。そのための準備にとりかかります。
慎重にミッションを下ろしていきます。
クラッチカバーは錆びだらけ。レリーズベアリングのスリーブの爪が片方折れていました。プル式なのでベアリングはクラッチカバー側についています。おそらくレリーズベアリングの動きが悪くなって、爪の片方に負荷がかかるようになって破損したものと思われます。
破損したベアリング(左)と新品(右)です。レリーズシリンダーも抜けてしまったので交換します。
ゲトラグ製ミッションです。カバー下部に大きな穴が開いているのでクラッチカバーも錆びるのでしょう。
クラッチの奥にあるフライホイールです。
右が古いクラッチ板です。やはり磨り減っています。左が新品なのですが、ディーラー(コーンズ)から2種類取り寄せました。このギブリはディーラー車なのですが、クラッチ板がどちらのタイプなのか「開けてみないとわからない」ということだったので、高価な部品なのですが、念のために両方購入することにしました。

今回のように、必要なパーツをオーダーしても的確な回答を得られないというケースは少なくなく、パーツ供給を受ける側としては不満が残ります。これがユーザーであればなおさらでしょう。新型車種投入時にはパーツ供給に関しても充実をお願いしたいところです。

クラッチを新調しました。
ミッションを元に戻します。当然磨いてあります。
(顔を隠さなくてもいいのに)
ギブリが復活しました。クラッチが重いのは変わりませんが、動きはスムーズです。

余談ですが、同時にMASERATI RACINGもエンジンがかからなくなって入庫していました。燃料ポンプに電気が来ていないのでヒューズボックスを見たところ焼けていたので交換しました。それでも動かないので調べたところ燃料ポンプも壊れていました。おそらくポンプ内でショートして、ヒューズボックスに過電圧がかかったのだろうとのこと。なぜヒューズが飛ぶ仕組みになっていないのでしょうね。ともあれ、ポンプを交換して無事復活。今日は不動車が2台動きました。

じつは、もう1台、エンジンのかからないフェラーリ412も入庫しているのです。こちらも復活が楽しみです。

マセラティが続いたり、アルファロメオ一色になったり、エリーゼが並んだり、ランチアやフェラーリが増えたりと波があります。動かなかったクルマが動いたり、不調が直ったりするのはうれしいものです。