2001 ALFA ROMEO 156TS

156TS (5MT) がエンジン不調で入庫しました。

これまでに3回ほどインジェクターやO2センサー、ガスケットなどを調べたのですが原因は他にあるようです。すぐに症状が出るわけではないので対処が困難です。しかし制御系の問題ではないことはわかっているので、残るはエンジン本体の機械的な部分です。以前オーバーヒートさせたことがあるのでヘッドが歪んでいるのかもしれません。

ということでヘッドを下ろして細部まで点検することになりました。

翌朝、外したパーツが置いてありました。
エンジンルームをみるとヘッドが...ない!?
あれ、2番、3番シリンダーのカーボン付着がひどいです。(ピストンの上面がみえています)
あ、ここにヘッドがありました。
バルブも1番と4番はちゃんと焼けているのに、2番と3番が真っ黒です。そもそもの原因は3番にあったのですが、2番と3番でO2センサーが共通なので2番も不調に巻き込まれてしまったようです。(1番、4番は別のO2センサーがついています)
吸気バルブ(右)が2個、排気バルブ(左)が2個、プラグが中央と端に2個あります。だから「ツインスパーク」です。プラグが2本あれば、1本火花が飛ばなくても走れそうな気がしますが、実際は調子が悪くてだめだそうです。
ヘッドを細部まで点検した結果、歪みを発見。またバルブの当たり不良もありました。そこでヘッドの歪みを取り除くべく平面研磨しました。まさに新品状態です。バルブも1本ずつ擦り合わせをして、ついでにポート研磨して組み直します。
ヘッドが載りました。
さぁ、これで元通り。エンジンをかけて様子を見ます。アイドリングは安定しています。
実際に走らせてみたところ、非常に滑らかです。4つのシリンダーがきれいに爆発を繰り返しているとこんなにスムーズなのですね。驚きました。エンジンが新品になったような感じがします。