1994 RENAULT ALPINE A610 TURBO

このクルマはE-wayamaが気に入って購入し、しばらくは本人が乗るつもりで仕上げをしていたところ「きれいですね」とお客様が購入を決意され「良いコンディションで乗りたいし、長く持ちたい」ということで、日本の夏は厳しいと言われているクルマ(ランチア・テーマ8.32などと同様)を安心して乗れるようにすべくガレージレポートが始まったのでした。

事前に点検したところ、エンジンルーム内のホース類が劣化しており、水回り(ラジエター、ラジエターホース、サーモスタット交換)は最重要課題。加速の鈍さと時々息継ぎするのはプラグコードとプラグ交換が必要でしょう。また、ガソリンフィルターとバッテリーはしばらく動いてない状態だったため交換し、ブレーキホースには亀裂が見られました。

ラジエターを交換するためにバンパーを外しました。

外したバンパーです。
古いラジエターは水漏れの跡がありますし、かなり詰まっていました。
できるだけ層を増やして、新たにラジエターを作りました。新品のラジエターに電動ファンを2個取り付けます。
左フロントのバンパー内側にバッテリー(白い箱)があります。
ブースターケーブルをつなぐときはボンネット内に端子があります。右が+、左が−。+端子には赤いカバーがついています。中央の赤いレバーはKILLスイッチです。乗らない時はOFFにしておきます。
新しいラジエターがつきました。ファンで斜め下に熱を逃がします。取り入れ口も出口も狭く、冷却効率は良いとはいえません。
交換した新(右)旧(左)パーツ。
リアフードを開けるとエンジンルームです。いろいろと部品を外してある状態でプラグコード交換中です。
あまりにも汚れがひどかったのでエンジンカバーをお化粧直し。
例によって異様にきれいなエンジンルームです。

なんとかエンジンルームに風を回して、重要な部分を冷やすべくダクトを引き回しました。

走行後はこうしてフードを開けて(熱を逃がして)おくのが「アルピーヌ乗り」のお約束なのだそうです。
このあと納車させていただきました。

エアコンもガスを入れ直したのでしっかり効きます。水温は、高速道路で80℃、気温30度以上の名古屋市街で90℃、渋滞すると100℃近くまでいきますが、ほぼ安定しています。高速道路ではとーっても気持ちいいです。5速でも2,500rpmくらい回っていればアクセルを軽く踏み込むだけでリアからシューっという音が聞こえてきてフーっと加速していくのです。いわゆるドッカンターボではないけれど十分速い。独特のリズムと体温をもっています。メカニックいわく「できるかぎりの冷却対策を施しましたが、熱効率が悪く、街中での渋滞は嫌います。気持ちにゆとりがほしい車です。アルピーヌという名前からして山岳地帯を気持ちよくドライブするのが似合いそうです」。