ALFA ROMEO 75TS

エアコンを使うと水が室内に出てくるということで75が入庫しました。ドレンからエアーで詰まりを除去しようとしたのですが、かなり詰まっているようなので取り外してきちんと除去するよう依頼されました。
エアコンユニットを外して本来の排水口の詰まりを取り除く作業のようですが、気がついたときにはすでにダッシュボードが外されていました。話としてはそれほど大変な作業だと思わなかったのですが、実際にはずいぶんと手間がかかるみたい。
室内はすごいことになってます。

センターコンソール部分に見える四角い箱(銀色に見えているがヒーターコア)がエアコンユニットです。

ところで、これって元に戻るんですか?(苦笑)

やっとこさ外れました。
ブロアモーターは両側にファンをもっています。その前にエバポレータとヒーターコアが重なっています。
エバポレータとヒーターコアを抜いたあとのケース底部です。水抜き穴が錆びなどで詰まってしまっています。行き場を失った水はもうすこし上にあるブロアファンレジスターの取り付け穴から外へ流れ出したのです。ケースを洗浄したのち、錆びの原因になる鉄板などは外します。
バラバラになった様子。緩衝材と隙間を埋めるためにスポンジが貼ってあるのですが、これも触るとボロボロ崩れてきます。たまに吹出し口から黒いスポンジみたいのものも噴出してきます。
75用のブロアーモーターは現在なかなか手に入らなくなってます。モーターの動きが少し悪く、ブラシもかなり磨耗しています。以前レジスター(モーターの回転を変化させる部品)が故障しました。せっかくの機会ですので、お客様とご相談のうえで他車用のモーターを移植しました。
元通りにフタをしました。吹出口切替えツマミのワイヤー(左)とヒーター調整ツマミのワイヤー(右)をつなぎます。スポンジを貼り替え、各部にグリスアップしました。
エアコンユニット右側の黒い筒がヒーターバルブ。ここにつないだワイヤーで暖められた水を(ヒーターコアに)流す量を調整するのです。温水が流れているうしろから送風すると温風が出てくるという仕組み。逆に温水は止めておいて、コンプレッサーを回せばエバポレータが冷えて冷風が出るわけです。
エアコンユニットを取り付けて、左右の吹出口へつながるダクトもつきました。
黒いのがさきほどのヒーターバルブ。その下にみえる銀色の四角い部品がクーラーのエクスパンションバルブです。
ダッシュボード裏側の配線を整理中。オーディオのケーブルがごちゃごちゃだったので、あらためて端子を圧着しています。見えないところはこんな風です。電気工事士みたい。
ふたりがかりでダッシュボードを載せます。
ずいぶん元に戻ってきて、エンジンもかかったので、各部の動作を確認します。
完成しました。

これでエアコンを使用しても問題ありません。このクルマは75でも初期のタイプ。お客様は大事にされてます。室内もきれいに掃除してお返ししました。