FERRARI 328 GTS

フェラーリ328GTSのタイミングベルト、エンジンマウント等交換を行います。

ベルト交換は右リアのタイヤハウスから行うこともできるのですが、今回は万全を期すためにエンジンを下ろして作業を行うことにしました。

フロントバンパーのすぐ内側にラジエターと電動ファンがあります。

今回、ラジエターはOHします。

外したラジエターと電動ファン。

このラジエターは上下にタンクがついているタイプです。

エンジンフードを開いたところ。エンジンを下ろす準備をしていきます。

手前はトランクスペースです。

黒いエアクリーナーボックスを外すとエアの取り込み口が見えます。

細い管が8本出ているのはフューエルディストリビュータです。エアをたくさん取り込むと燃料もたくさん出す仕組みになっています。

 

エンジンルーム左前についているのがイグニッションコイル(下の矢印)とイグニッションモジュール(上の矢印)です。
スロットル(黄矢印)のアップ。
リアから下周りを見たところ。マフラーが見えています。
エンジン下部はオイルで汚れています。
エキマニのボルトを外したところ。

左リアのタイヤハウスからエンジンを覗いたところ。

エンジンの下にトランスミッションが付いているため、クランクシャフトの出力をトランスミッションに伝えるギアが介在しています。

右リアのタイヤハウスから見たところ。

このようにベルト類はひと通り見えます。

デスビローター部分。
コンプレッサーを取り外したところ。

フューエルディストリビュータから出ているパイプは黄矢印のようにカールしている部分があります。

これは全シリンダーのパイプ長を揃えるためだそうです。

OH済みのラジエター。
インテークが取れました。

インテークの裏側。

「足の裏」にインジェクターノズルが見えています。ここから燃料を噴射します。

オイルまみれのオルタネーター。

黄矢印が(モーター同様の)ブラシです。

エンジンを吊って下ろす準備ができました。

ボディ開口部よりもエンジンのほうが大きいもので、傾けながらすこしずつ慎重に抜き出しました。

 

右側のタイミングベルト。前バンクのタイミングベルト(黄矢印部分)が緩んでいました。

空っぽのエンジンルーム。

黄矢印が燃料タンクです。矢印の上にある筒が燃料フィルター、矢印の下にある黒っぽい筒が燃料ポンプ(左)と圧力を一定に保つアキュムレーター(右)です。

前バンクのタイミングベルト(クロースアップ)。

エンジンの左うしろ部分。

オイルで真っ黒なので掃除に時間がかかりますが、エンジンを下ろしたからにはすべてきれいにしてお返しします。

エンジンを下ろすために外したパーツ類。

奥に見えているエンジンフードはかなり重くて、3人がかりで下ろしました。

エンジンとトランスミッションをつなぐギアを外しています。

クラッチが現れました。
外したクラッチハウジング。
クラッチを外して、フライホイールが見えました。
クラッチ板はまだ使えるので今回は交換しません。
ディストリビュータのエンドカバーを外したところ。
後バンクのカムカバーを開いて、カムシャフトが2本見えました。
フライホイールにある刻印に合わせてタイミングベルトを張ります。
カムシャフトにも位置合わせのための切り欠き(黄矢印)があります。(ちょっと見えにくいかな)
古いベルトを外したところ。
古いベアリングです。
ごらんのとおり、うち1個は外す際に崩壊しました。
古いタイミングベルト。
新しいタイミングベルトを張っているところ。
新しいタイミングベルトにはFerrariの文字が。
サーモスタットを交換しました。
カムカバーを閉じました。
ディストリビューターのエンドカバーを閉じました。
クラッチカバーを元に戻しました。

4つあるエンジンマウントも交換しました。(左が新、右が旧)

タイミングベルトカバーも付きました。
インテークの黒いインシュレーター4枚を交換します。
清掃後のインジェクションノズル付近。
再びエンジンを吊って載せました。

ラジエターは前、エンジンは後ろにあるため、冷却水の通路が長く、水量も多く、エア抜きに時間がかかります。エア抜きが不十分だとオーバーヒートします。

左の写真はラジエターホースのスリーブ。ゴムが劣化していたので交換しました。(手で持っているのが古い部品)

エンジンの下回り。きれいになりました。

完成して再び点火!
勇ましいエグゾーストが響きました。

結果、アクセルのツキが良くなり、クラッチのフィーリングも(リンケージをグリスアップすることで)改善されました。