2001 MASERATI Quattroporte Evo. V6

このマセラティ・クアトロポルテ Evo.V6 (6MT)は新車で購入されて現在、約22,000km。

5年目になりますからタイミングベルト交換は必須。他にシフトが入りづらいということで「リセット」をご依頼いただきました。過去に(車検以外で)クラッチO/Hとエアコン修理を他店でされたことがおありとのことです。(整備記録、情報は非常に重要です)

はじめて拝見するお車なので「12ヶ月点検」として承り、必要な整備をご案内させていただくことにしました。その結果、整備(リセット)をご用命いただきましたので部品を手配して引き続き作業を行います。

まず手前のパイプやホース類を外していって、タイミングベルト、ベアリング交換を行い、赤いインテークマニホールドを外して水漏れ防止策を講じておきます。
タイミングベルトが見えました。

タイミングベルトの新(上)と旧(下)。
タイミングベルトのテンショナーベアリング(左)とアイドラーベアリング(右)。各々、下に置いてあるベアリングと交換します。
ダイレクトイグニッションコイルを外したところ。
プラグもイリジウムに交換します。
インテークマニホールドを外したVバンク部分。
黒いゴムのカバーを被ったスターターモーターの下に水漏れの跡がありました。
水回りのホースバンドをすべて増し締めできるタイプに換えていきます。こうしておかないといずれ水漏れが起きます。
外したインテークマニホールドを清掃し、6本の足の裏に新しいOリングをはめます。このOリングが劣化したり、脱着した際にOリングがずれたりすると、隙間からエアを吸ってエンジン不調の原因になることがあります。
パワステラックブーツが破れていたので交換します。(上が新品)
パワステラックに新しいブーツをつけたところ。
インタークーラーホース(Lower)に亀裂が見られたので交換することにしました。
右タービンのリターンホースも同様に亀裂が入っているので交換します。
トランスミッションマウントも歪んでいたので交換します。(左が新品)
ウォーターポンプの新(右)旧(左)とガスケット(右下)。

古いウォーターポンプのガスケットは劣化してパキパキ割れます。

新しいウォーターポンプとベアリング。
新しいタイミングベルトを張りました。
タイミングベルトカバーを閉じました。
組み上げたエンジンルームをきれいに掃除して完成です。

エンジンオイルはYACCO GALAXY (15W-50)、ミッションオイルはMOTULがゲトラグ対応を謳っている 75W-90を入れました。Evo.にはターボメーターがついていませんが過給はしっかりかかります。このサイズの4ドアセダンがグワーっと加速してきたら迫力があります。

1速とバックへのシフトが入りにくいのはミッションオイルのせいか、クラッチの切れが悪いのかと仮定してリセット作業を行った結果、シフトフィールは改善されたと思います。E-wayamaといっしょに試運転して、1速に入れるときに多少固さがあるのは、このモデルに共通して見られるので異常ではないとの結論に達しました。シフトの感触は節度のあるものですし、クラッチも重くなっているわけではありませんから、馴れとコツ、付き合い方の問題だとも言えるでしょう。

最後に、感謝を込めて洗車させていただきました。

今回は1週間ほどでお返しすることができ、翌日お客様からつぎのようなメールを頂戴しました。(事前にご許可をいただいて掲載しています)

「ミッションオイルのみでこんなにもシフトフィールが違うのかと驚いています。また、高速を走行しましたが、足回りのがたつきや左へのハンドルの取られも改善し、気持ち良く安心して走行できました。もっと早く(2〜3年前にお邪魔したとき)から整備をお願いしておけば良かったなーと少しばかり後悔しています」

お客様に喜んでいただけることがわたしたちのいちばんの励みです。ほんとうにありがとうございました。