1995 RENAULT LUTECIA 16V

エンジンがかからなくなったルノー・ルーテシア16Vをずーっと前から「直して乗ろう」という計画があったのですが、エンジンを下ろさないといけないために先延ばしになっていました。

あいにくわたしは乗ったことがないのですが、ルーテシア16VはE-wayamaもお気に入りで「乗ったらビックリしますよ!」。

まな板の鯉ならぬ、リフトのルーテシア。蘇生手術が始まります。
下からエンジンを見上げたところ。
バンパーを外して、ラジエターを外して、次第にばらばらになっていきます。
エンジンルームに向かって右側にミッションが見えています。
サブフレームごとエンジンが下りました。
いつもの光景なのですが、はらわたを抜かれた魚に見えてしまいます。ちゃんと元に戻してあげるから待っててねー。
ラジエター、電動ファン、コンデンサー、スターター等です。
フライホイール、クラッチ等です。
エンジンをO/Hしている間、リフトを占有しているわけにいかないので、サブフレームとミッションは元に戻してタイヤをつけてクルマを外に出します。
エンジン台に固定して分解していきます。
タイミングベルトに損傷は見られませんし、コマ飛びした形跡もありません。

しかし、圧縮を測ると1番と4番は圧縮がない状態でした。これではエンジンがかかりません。

ベルトを外して、カムカバーを開けました。
カムが見えています。このあとヘッドを外します。
ヘッドを下ろすとピストンが見えましたが、カーボンで真っ黒です。
ヘッド側のバルブも汚れていますが、バルブがピストンを打ったような形跡はありません。
バルブをすべて外しました。バルブが曲がっているようには見えません。
でも、バルブの当たり面にカーボンが付着しているのが気になります。このためにバルブが密着せず圧縮が下がったのではないでしょうか。バルブステムシールがだめになり、バルブガイドを伝ってオイルが上がった可能性があります。
ピストンのアップ。これは掃除しなければなりません。
はい、このとおり!(笑)
バルブを組み直して、面研したヘッドです。
ヘッドを載せて組んでいきます。
カムシャフトを載せたところ。
新しいタイミングベルトを張りました。
カムカバーを閉じて、またエンジンらしくなってきました。
devil のエキマニです。
オルタネーター等の補機類がついてドライブベルトを張ったところ。
クラッチを取り付けてエンジンを吊りました。
ステアリングシャフトのジョイントです。ブッシュがボロボロになってハンドルのガタが出ていたのでAssy交換しました。
再びサブフレームにエンジンを載せました。
ルーテシアの心臓が戻りました。あー、よかった。
久しぶりにエンジンがかかりました!

オイルが回るのを待つ間、オイル漏れなどがないかどうかチェックしています。

復活しました!

まずは試運転します。

最近のハッチバックは大きく重くなってきていますが、この世代は軽快感があります。キノコ型のエアクリーナーと、devilのフルエギゾーストが、ガボガボ、ブワァンブワァンっと威勢のよい音がします。

物理的な速さでいえば、このあとに登場するルーテシアRSにはかないませんが、小気味良いドライブフィールは決して劣っていません。コーナーリングの楽しさは(FFとミッドシップの違いはあれど)エリーゼにも通じるものがあります。2速で引っ張って3速で流しながら、音が聴きたいためにアクセルを入れるとクォーンっと加速していくのです。このクルマには忘れかけていた FUN to drive があります。

E-wayamaは「エアコンがしっかり効くようにしてほしい」というリクエストを出していましたが、それは春になってから検証しましょう。