1995 FERRARI F355 Berlinetta

フェラーリF355ベルリネッタのタイミングベルト交換等を行います。

まだ35,000kmなのですが、前回交換してから時間が経過しているため「転ばぬ先の杖」整備です。

エンジンを下ろす必要があるため、エンジンオイル等の油脂類を抜きます。

内装はブラックレザー。2シーターですが意外に広くてゆったりしています。
エンジンのうしろにトランスミッション、クラッチとつながっています。

燃料タンクの下から後方向を見たところ。

手前の銀色の部分に燃料ポンプが左右2個見えています。

エンジンルームの様子。初期型のPAシャーシです。
青い保護テープを貼って、リアバンパーを外しました。

リアのタイヤハウスを外すと赤いカムカバーが見えます。

エンジンが低い位置に置かれていることがわかります。

マフラーを外すとエンジンルーム後部がスッキリします。
左から、アンダーカバー、サージタンク、リアバンパー、マフラー。
インテークを外すとスロットルが見えました。

ハーネス、パイプ、ホース等の接続を断って、サブフレームごと馬に架けます。

このままボディをリフトアップすると...

エンジンが下りました!

エンジン前部にベルトが集まっています。

向かって左下にオルタネーター、右下にコンプレッサー、Vバンク中央にウォーターポンプ、その右上にパワステポンプがついていて、クランクシャフトプーリーからベルト駆動されます。

タイミングベルトは黒い樹脂カバーの中。

こちらはエンジン後部。

最後部のクラッチカバーの下半分に断熱カバーがついています。

タイミングベルトのカバーを外してカムチャフトプーリーが左右2個ずつ見えました。各バンクに1個ずつテンショナーベアリングがついています。

主(あるじ)なきエンジンルーム。

左右に薄型ラジエターファンが見えています。

交換用パーツ。

クランクシャフトプーリー(左)とウォーターポンプ(右)を取り外しました。

ウォーターポンプはO/Hして、内部のベアリング、メカニカルシール、Oリングを交換します。

こちらは取り外した、古いパーツ。

上部のベルト3本がウォーターポンプ+オルタネーターベルト、パワステベルト、エアコンベルトで、その中にスパークプラグ8本。

下部のベルトがタイミングベルトで、テンショナーベアリングが2個。左下のベルト内にあるのがサーモスタット、右下ベルト内がスピードメーターセンサーです。

タイミングベルトはこんな状態。

使用感はありますが、ひどい劣化は見られませんでした。

O/Hを終えたウォーターポンプ。
ウォーターポンプはきちんとシールして写真の中央部分に取り付けます。
ウォーターホースが膨れてきていたので新品(下)に交換しました。
ベルト、ベアリング一式、タペットカバーガスケット、プラグ、サーモスタット等を交換したエンジンを再びボディに戻し、マフラーまで取り付けました。
エアフィルター2個を新調します。
カバーを閉じるとこのとおり。
タイヤはミシュラン・パイロット・スポーツ N1のフロント 225/40-18、リア 265/35-18 に交換しました。 N1はポルシェ認定タイプです。

試運転して作業完了です。

このように、年月を経てもできる限りお客様の愛車の価値(コンディション)を下げないように努めております。