1991 ALFA ROMEO 75TS

75(ななごー)は以前にもご紹介しましたが,今回乗ってみた75がなぜか気に入ってしまったのであえてレビューすることにしました.

色はモスグリーンと地味ですが,走行距離が約41,000kmと少なく,前オーナーはおとなしい運転をする方らしく,現存する75としては程度はいいようです.ふわっというか,フニャっとやわらかい感触が年式を感じさせますが,じきに馴れます.

2001年7月現在,程度のいい75は減って,大事にされる75と乗りつぶされる75に二極分化していると聞きます.スペシャルティカーではなくセダンの宿命なのでしょうか.

なんといっても音がいい.マフラーが換えてあるので排気音もいいけれど,ツインスパークの魅力はエンジン音です.街中でも2速で回せばすごく楽しい.こんなクルマは他にありません.すこし強めに発進するとタイヤがキュッと鳴きます.それがリアから聞こえてくるのもいい.

思いがけずクーラーがよく効いてくれるのも酷暑の夏にはうれしい.吹出口からは164よりも冷たい風が出てきて半袖から出ている腕が寒くなるくらいです.

操作系は大体軽く運転も簡単なのですが,唯一1速に入りにくくなっていました.そういうときは2速をなめて(半分入れて)から1速に入れるといいでしょう.シンクロがへたった旧車のお約束です.4,000-5,000rpm回して走ると最高に気持ちいい.絶対速度はたいしたことないのですが「音が速い」のです.

以前75に乗ったときとちがって,今回は妙にしっくり来るのです.布張りシートの感触とか,MOMOステアリングの握りとか,ボディサイズがちょうどいいし,アクセルの反応もいい. 名古屋の市街地だけでなく東名阪道も走ってみたのですが,高速でも思ったより安定しています.「75っていいクルマだったんだ」と再認識した次第.

ただし程度のいい個体は少ないとか.お値段が88万円と聞いてびっくり.「あと2年乗るとして予算はいくら?」「45万もみておけばいいでしょう」とのこと.わたしが自分の足になるクルマを探しているところだったら即決でした.