1999 MASERATI 3200GT 納車整備レポート (2005/8)

6速ミッション、走行15,000kmの3200GTです。

1速や2速で迂闊にアクセルを踏み込むとのけぞってしまうくらい加速は強烈。右足はゆで卵を踏むつもりでソフトにコントロールしましょう。ツインターボは高速道路の追い越し加速で本領を発揮するでしょうけれど、運転免許をなくさないようご注意ください。また、クラッチは重いほうかもしれませんが苦になるほどではありません。

まずエンジンオイル+オイルフィルターとミッションオイルを交換します。

タイヤを外したついでにホイールの裏側の汚れを落としました。

エンジンオイルを抜いたときにオイルクーラーホースを外しました。これはエンジンからオイルクーラーへ行くホース。根元からオイルが滲んでいたので交換します。
下が新品のホース。上の(オイルクーラーからエンジンへ戻る)ホースは問題ないので再利用します。
ホースはここ(黄矢印)にあり、オイルクーラーはラジエターの下にあります。

ホースのむこうに見える水色のものがオイルフィルターです。

リアから下回りを見上げたところ。
ブレーキオイルも汚れていたので交換します。
クラッチのジョイント(黄矢印)のグリスが切れているのでグリスアップしておきました。また、クラッチペダルのゴムが擦り減っていたのも新品に交換しました。
インテークを外しました。まだ15,000kmだからか、なにも手が入っていないようです。

インテークに隠れて見えない部分の配管、配線は要チェックです。

案の定、スターターモーター(黄矢印)のプラス端子のボルトが緩んでいました。このまま放置しておくと接触不良でセルが回らなくなるので注意が必要です。
インテークの取り付けボルトを緩めていくときに締め付けの弱いところがありました。そこは左の写真のようにゴムのOリングが枠から飛び出してしまいます。もう1箇所同様の部分がありましたが、ここはエアを吸っていたはずです。Oリングはすべて新品に交換します。

増し締め可能なタイプの金属バンドはきちんと締め付け、増し締めできないタイプのバンドはすべて交換します。そうしないといずれ水漏れします。ここで水漏れすると、真下にあるノックセンサーや、すぐそばにあるO2センサーのコネクタに水がかかってCHECK ENGINEエラーが出てしまいます。
インテーク奥側のフランジ(黄矢印)は真鍮製になっています。ギブリなど以前はプラスチック製だったので折れることがありました。もしもこのフランジ部分が折れたり漏れたりすると(様々な用途に使われているので一概には言えませんが)エンジン不調につながることが多いです。
8つのOリングを交換してインテークを載せます。
スパークプラグ(左)も8本とも新品のイリジウムプラグ(右)に換えることにしました。
エンジン回りは完成しました。
あとはバッテリーを交換して、トランクの閉まり具合のチェック、試運転を行って問題がないことを確認して納車整備を完了しました。

これで「マセラティだから」と不安に感じることなく、安心して乗っていただけることと思います。ただし、愛車には思いやりをもって接してくださるようお願いいたします。

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