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2024.7.27
12気筒の『走る工芸品!』_DD6
ショールーム入口のこの存在感は、
素通りを許してくれません。
まずは愛でましょう。うっとりしましょう。
夏季アルバイトに来てくれているK太郎くん渾身の仕上げで
ピカピカに輝くのは、
1992 DAIMLER DOUBLE SIX(Sr.Ⅲ)
樹脂素材という俗なものに慣れきった目に眩しすぎる!
このクルマのこと、教えてくださーい!と
スタッフH氏にしばしご教授いただきました。
さてさて聞いてみると、
何から何まで「へぇぇぇ!!」と驚くことばかりです。
キーワードは『手造り』。
『今の時代、たとえ製造できても
1台何千万になるか想像もできない。
そのくらいのものが詰まっています。』
『工程ごとに専任のメカニックが車体を組み立てていき、
内装はというと、職人たちが白衣姿で静かな工房でもくもくと素材に向き合って作業しているんです。』
ほんとうに、コレ手造りなのー!?
※注:全部が手造りというわけではないです。
V型12気筒エンジンがおさまるエンジンルーム。
よく見ていくと確かにハンドメイドの跡が見られます。
この様子ではメンテナンスとなると、
はずすのも組み付けるのも
まさにパズルの如しです!
ボルトが余っちゃった!あはは!〜なんて許されません。
信頼できるサービス工場の存在は実に重要です!
ドアの内側。
ウッドの部分には象嵌による意匠が。
ペイントではありませんよ!
異なる木材の嵌め込みでラインを描いています。
バー・ウォルナットという、ベースの素材だけでも希少で高級なのに、
そこに象嵌細工の匠の技って、
そこまでやるのか?と思わず唸ってしまう・・・。贅沢!
細ーい革巻きステアリング、
折れませんよね??と不安に駆られる繊細なシフトレバー、
自ずと運転も上品になるはずです。
ピンと張ったレザーシートの美しさに身惚れ、
30年も経過したら人間の皮膚なんてヨレヨレなのにね、
私の皮膚もコノリー社でなめしてもらって被れたらとこっそりくだらない想像。
パネル周りやセンターコンソールに使われているウッドは
前述のバー・ウォルナットです。
独特の木目が浮かんでいるのは、
くるみの木の根のコブをスライスしたものだからです。
『注目すべきは、中心線からドアまで木目がシンメトリーになっているブックマッチの板である点です!』(H氏、嬉々として語ります!)
ブックマッチ、初めて聞きました。
1本の原木から板材を挽き、
切断面を本を開く様に左右対称に並べて接ぎ合わせています。
なんという美しさへの拘り、もはや言葉を継ぐことができず!
フロアに至っては「土禁ですか?」と平民ならではのギモンが飛び出します。
ふかふかウィルトンカーペットに、つい深さを確かめたくなる平民。
後ろに回ってトランクを開け、H氏が手招きします。
『ここに、このクルマがどういう車かということが現れてるんです。』
と、指し示したのは
はぁー!!
乱暴な扱いをしたら、後は知らんぞ。と、釘を刺してます!(笑)
何事も上品に優しく落ち着いて操作せよ。
私はデリケートなハンドメイド作品ですからね。無茶すると壊れます。
言外はこういう解釈で合ってますか、H氏?
トランク開けたついでに、ボディ鋼板のエッジを撫でて愛でるH氏。
『こんなエッジはぜーんぶ手仕事で叩き出しているんですよね。
見てください、この美しいエッジ♡』
職人の手仕事だから、同じ様に叩き出しても微妙な味わいが出ます。
フロントグリルも然りです。
デイムラーの象徴のデザイン、フルーテッドグリル上部の波打つデザインが本当に美しいのですが、
このカーブひとつとて手仕事で成形しているので個体ごとに同じものはひとつとしてありません。
見聞きしていて、ふと何かに似ていると思ったのは、
まるで伝統工芸品のお話の様だということです。
漆器や友禅など、多くの工程を専門の職人が分業しながら手作業で造っていく手間のかかる製品は、
ご存知の通り、たいへん高価で贅沢なもの。
それと同じことをクルマ造りでやるのですから、
今の世の中、採算が合わなくてできない、やらないが当然ですね。
DD6の価値はプライスレス。
付いているお値段だけでは計り知れないのがDD6というクルマなのではないでしょうか。
12気筒の工芸品!
飾っておきたいところですが、やっぱり走らせてこそ。
一流の工芸品・DD6と共に歳を重ねる人生、
とってもココロ豊かな人生ではありませんか!
(バックオフィススタッフ・T)
追記:
DD6のお隣に、同期風情のイタリア高級セダンが並びました。
この対比もなかなか楽しいですよ!
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