従来のモデル(75や164)に比べると格段に信頼性の上がった155ですが,どんな自動車だって機械ですから以下のようなこともありえます.弱点を知って上手に乗りましょう.
- ▼ クラッチ・レリーズ・シリンダーのオイル漏れ
- クラッチペダルが重いと思ったとき,ブレーキオイルがよく減るときに点検.クラッチ・レリーズ・シリンダーからオイルが漏れてクラッチが切れなくなる.
費用:\16,000
- ▼ シフトロッド破損(TS 8V)
- 1速とバックギアに無理に入れようとすると,横方向のシフトロッドが折れることがある.すると3速と4速にしかギアが入らなくなる.
費用:\18,000
hisata談:自走できなくはないがつらい.交換したから折れないという保証はないらしいが,酷使している自覚があれば 5万km超えたら交換しておいたほうが無難かも.
- ▼ 電動シート(装着モデルのみ)
- スイッチの照明は灯くが左右ともシートが動かなくなる.
費用:\43,000
- ▼ タイミングベルト点検・交換(TS 16V / 2.5 V6 / Q4)
- MTのためにエンジンの回転の上下が激しくタイミングベルトに負担がかかるものと思われる.TS 16V と 2.5 V6 については,15,000km で点検・調整,30,000km 前後で交換が好ましい.Q4 はもっと早く,10,000km 点検,20,000km で交換すべき.(Q4 の維持の最大のポイント)
TS 8V はタイミングチェーンなので張り調整は必要だが,基本的に切れる心配はない.
- ▼ エアコン (1999/07/01追加)
- 最近暑くなってきてルッソに飛び込んでくるトラブルにも大掛かりな話がちらほらと増えてきています。ここ最近の連発トラブルはエアコンの不調が多くなっています。昨年までに比べて155でのエアコントラブルが増えた事が気になります。
95年式の155TS 8Vが続けて3台同じ症状で入庫しました。コンプレッサーの故障です。134aのタイプでのコンプレッサーの故障は今迄体験していなかったので最初のクルマの時は非常に手間取りました。コンプレッサーはオーバーホールできると思い、専門業者に依頼したところ「大丈夫でしょう」とのこと。ひと安心してしまったのがいけなかったのでしょう。一応修理は終わったと言う事で組み付けた所すぐに故障。かなりの時間を無駄にしました。よくよく聞いてみると本来はオーバーホールができない(パーツの供給がされない)のを何とかしてみたとの事。「駄目でも仕方ない」と判断してコンプレッサーの交換に踏み切りました。
ところが現在輸入元はコンプレッサーを供給していないそうで、仕方なく部品待ちになってしまった訳です。すったもんだしてやっと全ての修理を終えてほっとしました。この修理に関して先に手を打っておけば少しは効果のありそうな部品の交換を情報としてお伝えしておきます。
これで安心と言う訳ではありませんがやっておく価値はあると思います。
- エキスパンションバルブ
- 紙巻タバコくらいの部品のフィルター部分がかなり汚れていて目詰まりを起こしており結果コンプレッサーに負担をかけているように思われます.部品代は2240円です.
- ▼ ウォーターポンプ (2.5 V6) (2000/09/01追加)
- アルファロメオ155V6でウォーターポンプの修理のレポートをします。
今回の修理車両は、もともとウォーターポンプの修理ではなく、エアコンが効かなくなり、パワステも効かないという症状でした。
そこでまず考えられたのは、エアコンベルトが切れたか、又は何らかの問題があるということでした。155V6はエアコンとパワステをエアコンベルトで回している為、エアコンとパワステが両方とも効かない場合のほとんどが、このベルトに問題があるのです。しかし、現車を見ると、ファンベルトがはずれていて、そのファンベルトがエアコンベルトに絡み、そしてエアコンベルトが切れていたのです。では、なぜファンベルトが外れたのかというと、ウォーターポンプががたつき、ファンベルトが外れてしまったのです。結局、一番の問題はウォーターポンプにあり、その後発生した二次災害的なトラブルを症状として体感したのです。ということで、ウォーターポンプをはじめ、その他のベルト類の交換作業をすることになりました。
写真1では確認しずらいかもしれませんが、これが古いウォーターポンプです。この中央部分を触ると、新品部品と比べて、かなりのがたつきがありました。写真2は新品をつけた写真です。場所は確認しづらいですが、タイミングベルト付近にあります。
このように今回の作業にはタイミングベルトをはずす必要があります。そのため、予防整備をかねて、タイミングベルトの交換の2回に1回のペースでウォーターポンプの交換をお薦めします。そのほうが交換工賃の節約もできますし、ウォーターポンプは今回のようにがたが出やすいですから、タイミングベルト2回目の交換時期イコールウォーターポンプの交換時期と考えるほうが妥当です。故障して立ち往生なんていう状況には誰もなりたくないはずですから。