アルファロメオの紹介記事に「ステアリングは2.2回転の超クイック」などとありますが,実際は単にそれ以上切れないだけだったりして(笑).
- ■ 164の曲げ方
- 164や155では「パワステポンプに負担をかけないように」と言われますが,それはクルマの弱点に対する心遣いであり,パワステを修理しなくて済むようにという智恵です.
では,具体的にそれはどういうことなのか,どうすればいいのかについて,わたしの理解の範囲でお話しましょう.
1. 据え切り(停止状態でハンドルを切る)をしない
2. それ以上回らないところまでロックさせない
3. 急ハンドルを控える上記3点が60%を言い表しています.
逆に言えば,据え切りを避けるにはすこしでもいいから前輪をころがしながらステアリングを回せばいいのです.また,ロックする手前で止めればいいのです.むずかしいことではないはず.
それでは残りの40%はどうすればよいのでしょうか.
4. 道路幅を有効に利用する
たとえばサーキット走行のアウト・イン・アウト.あの要領です.
サーキットではカーブでも速度を落とさないようにするためにできるだけ緩いカーブになるコース取りをするわけです.そのときにカーブの手前ではアウトに寄ってクリップでインにつき,アウトに向かって脱出します.そうすると結果としてステアリングの舵角は最低限に抑えることができます.
ふだんの運転を思い出してください.よほど狭い曲がり角でない限り,交差点にまっすぐ進入して,曲がりきったときにはまっすぐ脱出しているはずです.交差点内で90度クルマの向きが変わっています.
でも,そういう運転をするとせっせとステアリングを回さなければなりません.それではステアリングを「こじる」ことになります.ハンドルだけで曲げようとせずに頭を使いましょう.ただし狭い道でアウトに寄るときは歩行者や自転車に注意してください.また路肩に寄りすぎて電柱にボディを擦ったのでは意味がありません.自分の技量に応じて練習しましょう.
な〜んて,偉そうに話していますが,わたしもずっとこじっていたのです.「なるほど,そういうことか」と気づいたのはつい最近のことです.164に乗るとそういうことを考えるようになるのです.
この4番が30%です.残る10%はなに?
★ ★ ★ 5. それはやっぱりクルマに対する愛情でしょう.
上に書いたようなことを気にしなくてもトラブルは起きないかもしれませんし,どんなに注意しても壊れるかもしれません.だけど無理せず自然体でクルマを丁寧に扱うクセがつけばトラブルが遠のくはず.知っておいて損はないでしょう.
壊さずに乗れるかどうかは最後の10%が効いてくるのかもしれません.