ALFA ROMEO 164 Super 24V REPORT No.28
前回の番外編から3ヶ月が過ぎました.ゴールデンウィークまでは「164といってもトラブルなしのNO PROBLEMじゃないか.楽勝じゃわい.ガッハッハ」とタカを括っていたのですが,それが神様の茶目っ気を刺激してしまったようです.

■ 164を維持するということ

乗りはじめて5ヶ月で約7,000km走りました.現在の走行距離は37,000km.

5月の連休明けになって,ふとダッシュボードのデジタル時計を見ると判読できないのです.たとえば12:34だとすると3が幾何学模様になっています.正しく表示することもあるのですが,気がつくとおかしくなっていて毎時1時間ごとしか確かめることができない時計になっています.

そのことをEワヤマさんに話したとき「164はそこから壊れていくんですよねぇ」と顔が曇ったのを見逃しませんでした.わたしは内心「いよいよ来たか!?」.

東名高速を走ると,料金所で助手席の窓を開けるじゃないですか.そのときにスイッチを一度押しただけでは反応しなくなってきました.接触が悪い感じ.「いざとなったら右後ろの窓を開ければいいや」(腕がつりそう).

東名高速のトンネルを通過するときにヘッドライトをつけるわけですが,ふと見るとメーターパネルが真っ暗.ライトがついているのかどうかわかりません.バルブが切れたのかなと思っているとまた点くようになりました.LUSSOで相談すると「輝度調節つまみを回しても変わりませんか?」とのことだったので試してみたところ,つまみを押さえると点いたり消えたりします.これも接触不良が原因ですがスイッチが2つあるだけのこと.

5月も下旬になって暑くなってきました.ある朝164に乗り込んでエンジンをかけて,おもむろにエアコンのAUTOボタンを押して,も反応がありません.何度押しても反応がなく,OFFボタンを押すとコンプレッサーは動き始めたので手動でファンを回しました.実際には冷えるので特に不都合はありません.

どれもすぐに困るわけではない,些細なことの積み重ねだけど,目の前で164が崩れていくようで哀しかった.

★ ★ ★

翌朝「どうせ駄目だろうけど」とAUTOボタンを押すと,以前のようにカチっとコンプレッサーが入ってファンが回りはじめました.いよいよ怪しい.うろんな奴.(苦笑)

これらはすべて電気系統の問題ですよね.その昔「イタ車は電気系統が弱い」と言われていたのがなんとなく真実味をもって迫ってきます.155では電気系統が弱いとは思わなかったし,156や166ではもっと改善されているでしょう.そういう意味で164は「イタリア車らしさ」を残したクルマです.「らしさ」には歓迎すべきものと,できれば避けたい部分も含まれているようです.

しかし,わたし自身にも長所もあれば短所もある.クルマだっておなじでしょう.個人の好みまで持ち出すと完全な車なんてありえません.

電気系統のトラブルって虫歯みたいなもの.

虫歯があることはわかっていても痛まないうちは放っておいて,いよいよ痛くて我慢できなくなると医者に駆け込むのです.

| Back | Home |