ALFA ROMEO 164 Super 24V REPORT No.34

燃費はリッター4kmに戻ってしまったし,渋滞にハマると水温計は109度(振り切れる半歩手前)ですが,とくに異状はありません.わたしにとっては快適な移動空間です.

■ クルマ選びの基準

都内で自動車通勤するようになって1年経ちました.前半は155TS 8Vで,後半はSUPER 24Vに代わりました.

164に乗り換えた当初「ATはつまらん」と嘆いて,しつこく根に持っていましたが,さすがのわたしも観念しました.155に乗っていたとき,わたしにとってクルマは「動くオモチャ」でしたから「運転が楽しい」ことが必要条件だったのです.しかし,都内の足に使うクルマは「日常の道具」ですから,楽しければいいというわけにはいかないことを(頭ではなく)身体で理解しました.いまは余計なことに煩わされないクルマが有り難い.

道具としてのクルマに求めるものはなにか.

  1. 実用性:余計な苦労や我慢をしなくていいこと
  2. 趣味性:自分の好みに合うこと

交通事情のちがいから,名古屋ではMTでも実用的ですが,東京では実用にならないわけではないものの(わたしは)疲れます.ATに快感を覚えることはありませんが,気にしなければいいのです.トルコン車に官能的なエンジンフィールを期待するのはやめました.

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わたしの164は100万円代にしては上等だと思います.先に挙げた「実用性」も満たしています.(いまのところ,ですが)

趣味性の点ではどうでしょうか.なんといってもピニンファリーナのボディデザインが秀逸.すっきりした直線基調のスタイルが気に入ってます.センスがいいですよね.

SUPER 24Vは大きなバンパーとメッキモールが嫌われるようですが,そのおかげでキャデラック・セビルと並んでも見劣りしません.(笑)

当時のアルファロメオとしては至極まっとうなセダンなのですが,細かくみると手作りっぽい部分が随所にあってイタリア人のおおらかさを満喫できます.その手のおおらかさは裏目に出ることが多いのでかならずしも歓迎されませんが,上手に乗ることができればトラブルに悩まされることもほとんどありません.街であまり見かけない点もうれしい.

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わたしのクルマ選びの基準はなんでしょう?

  1. 街中であまり見かけないマイナー車であること
  2. 東京〜大阪くらいはいつでも走れる性能と信頼性があること
  3. できれば運転していて楽しいこと

以前にも書いたことがありますが,結局こういうことなのです.マイナーだということは「故障が心配」とか,なにかしらの不安要素があるのです.そういうクルマに乗るのはちょっとした冒険,チャレンジだから愉快です.絶対安心な箱庭で遊んでいてもつまらない.もっと広い世界を見たい.すこし痛い目に遭っても授業料だとあきらめましょう.

上の基準を164に当てはめるとどうなるでしょうか.1と2はクリアしています.3にちょっと難点があるかな,(SPORTモードで高速を飛ばせば楽しいけど)というところ.3つの条件を満たすクルマなんて存在しないのかもしれません.あまり神経をつかいたくないから高価なクルマは避けたい.

164は運転席もゆったりしていて居住性に優れています.刺激が少ないだけくつろぐことができます.164はアルファロメオの中で(現行ラインアップも含めて)価格的にもいちばん気軽に楽しめる実用車ではないでしょうか.(良い個体は少ないようですが)

「164の車高をすこし下げたいな」とつぶやいても,Eワヤマさんには「そのまま乗ってたほうがいいですよ」と却下されるからノーマルのままで行きましょう.名古屋の工場にクルマを預けてあちこちいじるのも面倒だから,いかにお金をかけずに楽しめるかという路線を行ってもいい.

車高はそのうち勝手に下がってくるでしょう.(笑)

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