ALFA ROMEO 164 Super 24V REPORT No.36

燃費は,都内でリッター4〜4.5km,高速巡航がAUTOモードならば9km/l,SPORTモードだと8km/lといったところ.エアコンを使っても使わなくてもほとんど違いが見られないのが不思議.

■ 雨のち晴れ

前回東名高速を往復したときのこと.東京から名古屋に向かうとき,静岡あたりまでどしゃぶりでした.いつもはSPORTモードで引っ張って走るのですが,前輪に急にトルクがかかってスリップするのが怖いのでAUTOモードに戻しました.

AUTOモードは「踏み込んでもすぐにキックダウンしないし,じきにシフトアップしてしまう」という印象があって「市街地用」と決めてかかっていたのですが,踏み方にコツがあることがわかったし,実際の高速道路の流れを考えればAUTOモードで十分だということに気がつきました.

たとえば首都高のようにカーブが連続するような箱庭コースではSPORTモードが面白いでしょうけれど,3速で4,000rpmをキープして走るのは疲れます.直線で巡航速度の高い東名高速ではAUTOモードでいい.前車を追い越すときにキックダウンして引っ張ると,その加速感が心地いいし,その度に後続車が離れていくのもおもしろかった.(悪趣味?)

高速道路での巡航速度を決めるのは,エンジンの性能ではなく「路面の状態」と「足回りの性能」です.どんなに馬力があっても足回りがついてこないと怖い思いをします.164も路面がすこしでも荒れていると巡航速度は20km/h下がります.クルマの性能と自分の恐怖心を掛け合わせた「もうひとつの速度計」のリミット以下で走らせているときがわたしは快適だし楽しい.

164 SUPER 24Vの魅力は,スタイルが洒落ていることと,高速道路での加速感.これですね.

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たとえばテーマ8.32が夏の渋滞でもオーバーヒートの心配がなかったとしましょう.それならばわたしが164から乗り換えて楽しめるかどうか.つまりMTでよいのかという問題があります.

クルマを操るにはMTのほうが向いているし楽しいと思います.でもMTのALFA155で半年間,都内を通勤した経験からMTはストレスが溜まることも知っています.バイパスの上り坂での渋滞はイヤになります.低速トルクがたっぷりあってクラッチだけで坂を登るならともかく,トルクの細いクルマでは疲れます.Eワヤマさんの見立てでは「楽しめるのが3割,あとの7割は楽しくないでしょう」とのこと.きっとそんなところでしょうね.

だとすると,わたしが東京で暮らしている限り,クルマ選びの条件として「ATであること」が加わります.もうひとつ,主治医の整備工場が遠いから,路上で立ち往生する可能性が高いクルマも避けたほうが無難でしょう.つまり「信頼性が高いこと」も必要です.

クルマを所有するだけならばともかく,毎日の足として使うのであれば,自分の生活圏の道路事情,交通事情に合わせてクルマを選ばないと楽しめません.これが名古屋だったり,クルマを2台持つというのであれば事情も変わってくるのですが,都内ではクルマは1台あれば十分.わたしは現実を受け入れることを学ばねばなりません.(苦笑)

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164もすっかり「自分の居場所」として定着しました.

デジタル時計は完全にアウトだし,運転席側ドアに付いている助手席窓ボタンと,エアコンのAUTOボタンは接触が悪いし,ときどきトランクが閉まらなくなるけれど,逆にいうとそれくらいしか気になるところはありません.

じつは愛用の腕時計がオーバーホール中で,あえて時計なしの生活をしています.3〜4年に一度のオーバーホールに3万円かかりますが,Eワヤマさんいわく「維持費が読める」という点でROLEXは「時計のベンツ」だそうです.(笑)

前述のとおりクルマに乗っても時間がわからないので,どうしても知りたいときは携帯電話を開きます.おかげで細かい時間に縛られなくなりました.1分刻みの生活から解放されたようで悪くないですよ.

クルマ選びも,むずかしい条件を並べないようにすれば楽しくなるでしょうね.

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