ALFA ROMEO 164 Super 24V REPORT No.41
前回は偉そうに「安全運転を」なんて書きましたが,実態はたいしたものではありません.

それでも高速道路の(特に合流地点での)追い越しは怖いです.走行車線にクルマが並んでいるときは,それらのクルマが右に出て来ないかどうか警戒します.急に出てこられても減速できるようにしておくのです.困るのが車間距離を詰めるドライバー.「あなたが詰めるから余計にわたしは前車との車間を開けなければならなくなるんですよ」.(苦笑)

■ カッ飛びセダン

164で名古屋を出るとき,イグニッションを捻りながら「これから東京まで戻るから頼むぞ」.途中ガソリンスタンドで洗車してもらってピカピカになった164は素敵でした.わたし,メッキのモールって結構好きなんです.

名古屋ICをくぐって東京を目指します.まだ夕方だけど今の季節はすでに真っ暗.岡崎を過ぎるまでは交通量が多いので流れに乗って走ります.クルマが減って前が空くとマイペース走行に移ります. Dレンジでもアクセルを床まで踏み込むと,ひと呼吸おいて1速あるいは2速シフトダウンされて回転が跳ね上がります.

爆発的な加速ではないけれどしっかり前に出ていきます.ブレーキも軽いタッチで効いてくれるから,高速ではキビキビ走ることができて気持ちいい.秦野中井〜御殿場間の高速コーナーだってそこそこのペースで抜けていきます.ただしノーマルの足回りは乗り心地重視に振ってあるようなので,無理に突っ込むと冷や汗をかきます.

155TS 8Vは郊外の峠道あたりで持てるパワーを使い切って走らせるのが楽しかった.164 SUPER 24Vは高速道路でそのパワーを生かすことができます.ふだん都内ではエンジンは2,000rpmくらいまでしか上がらないので高速を走るときくらい回してやろうという気持ちもあるのですが,6,000rpmまで回すということはフルパワーを使っていることになりますね.

夜の東名高速.ゆるやかに右に左に車線をなぞりながら淡々と164を走らせていると,お気に入りのBGMと適度な揺れが心地よく,ずっとこのままステアリングを握っていたいと思うのです.ベージュの革シートも気に入ってます.長距離でも腰が痛くなったりしません.そういう意味ではツアラーなのかもしれません.

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1年近くかかってようやく164に自分らしく乗れるようになったような気がします.

音楽を楽しむにも,高価なオーディオ機器を揃えるよりもソフト選びを楽しむのが好き.着るものを楽しむにも,ブランドを追うよりもリーズナブルなプライスで楽しめる服が好き.

いまの164は等身大のわたしを映しています.

誇張するでもなく,卑下するでもない.自然体で「これがわたしです」といえる.そんな感じ.

持てないことを嘆くより,持っているもので楽しむ.そのうちに新しいチャンスも転がり込んできます.

アルファロメオを意識することはもうほとんどありません.164に乗るのに妙なこだわりは捨てたほうがいい.自分が自分らしくいられる空間が164にある.素直にそれがうれしい.冷たい都会でわたしを守ってくれる優しいクルマです.

自分が買ったクルマだからって良い関係が結べるとは限らない.クルマに裏切られないオーナー,愛車を信頼できるオーナーになれるかどうか.

そのためにはメンテナンスしてくれるショップも大切です.信頼できるショップと良い関係を保つことも輸入車を楽しむ秘訣でしょう.LUSSOには感謝しています.

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