中央高速経由でいらしたとのことでボディは融雪剤のせいで真っ白。それでも洗車するときれいになりました。これはボディコーティングしてありますね。 運転席に座ると大事にしてらっしゃるのが一目瞭然。シートが適度に低くていい感じ。古いレカロを張り替えたそうです。93年式の8Vということで心配していたのですが、実際に運転してみると想像していたよりもちゃんとしています。決してガタガタということはありません。マフラーが替えてあって勇ましい排気音が響きます。たしかに気になる点もありますが、これならばかなりシャキっとさせることができるはずです。 | |
今回の主要メニューは、ミッションOH、メインシャフトインプットベアリング交換、カウンターシャフトインプットベアリング交換、クラッチ+レリーズベアリング交換、エンジンマウント(F/R)交換、ミッションマウント交換、メインリレー交換、燃料フィルター交換、リアマフラーバンド交換、タイミングチェーン調整です。 | |
フロントタイヤを外したらエンジンルームから作業開始。バッテリーやエアフィルターを外しました。 | |
右フロントタイヤハウス。タイヤのスタッドボルトの錆びがひどいのは気になっていたのですが、ブレーキローター周辺もひどいです。また、下回りは全体に融雪剤が白く残っています。 | |
ラジエターが水漏れしており、緑青で錆びていたりするのですが今回は(オーナーご了解のうえで)見送ります。 | |
エンジン下部。メンバー、ロアーアームなどに錆が見られます。 | |
ステンレスのマフラーがこれだけ錆びています。メカニックは見過ごしにできなかったようで磨いて塗装してしまいました。(笑) | |
写真で指さしている部分で排気漏れが見られたので一度外して漏れ止めシーラー塗布し、アルミテープで巻き、クランプ交換しました。
ガタがあったので交換しました。リアのバネは腐食が進んで塗装が剥げてきています。 名古屋高速でも気温が氷点下に下がった日には融雪剤が蒔かれ、そこを走ったクルマは真っ白になってしまいました。ボディはきれいでも下回りが早く痛みます。雪道走行後は下回りをスチームしたほうがよいでしょう。 | |
エンジンマウントはすっかりへたっていて、ゴムがひび割れてきています。 | |
スターターモーターです。エンジンがかかったらギアを引っ込める部分が壊れているのですが、これも今回は(予算の都合で)見送ります。 | |
クラッチの新(左)と旧(右)です。新品はグリスの手ごたえがあるのですが、古いレリーズベアリングはグリスが抜けてしまい、シャーっと軽く回ります。ガタも出ているので当然交換します。 | |
クラッチ板のアップ。 | |
クラッチを外したあとのフライホイールです。 | |
ミッションをオーバーホールしています。ベアリングのガタが結構ありましたが、シンクロはまだ使えます。シンクロの当たり部はすべて修正しました。 | |
組み直したミッションを載せました。シフトリンクなどできる限りグリスアップしました。 | |
フロントのメンバーは腐食の進行を防ぐために磨いてから塗装しました。表はつやありですが、裏側はつや消し黒です。妙なところに凝っています。(笑) | |
クーラントを抜いて交換します。 | |
エンジン回りを組み上げて、エンジンルーム清掃を含めた仕上げを行ないます。 ちなみに、インテークマニホールドが外れかけていたので修正しました。バックファイアによって抜けかけたようなので、インテークのスリーブは交換した方がいいでしょう。他にも、今後の懸案事項についてお伝えしておきます。ご依頼いただいた作業だけ行なうのはどこでもしてくれると思いますが、LUSSOでは作業の過程で確認できるところはすべて確認し、お客様へアドバイスします。最終的に作業するかどうかはお客様の判断となります。わたしたちはお客様のクルマと言う目で見るのではなく、いつも自分のクルマを仕上げているつもりで取り組んでいます。 | |
作業完了です。やはり8Vは面白いクルマです。 このクルマが入庫して以来、なぜか155TS 8Vが立て続けに入ってきました。車検など理由はそれぞれなのですが不思議です。ガレージの表に155が4台くらい並ぶこともあって、まるで「155屋さん」みたいでした。それも楽しいかもしれませんね。(笑) |
「壊れたから直す」だけでなく、いいクルマを作りたいし、残したいのです。その価値をご理解くださるお客様に喜んでいただくために。