ALFA ROMEO 155TS 8V

エンジンがかからなくなって入庫してきた155を調べたところ、燃料ポンプリレーが焼けていました。燃料ポンプが古くなってスムーズに回転しなくなり、リレーの接点に過電流が流れるために焼けてしまったと考えられるので(15万kmという走行距離も勘案して)ポンプを交換することにしました。

トランクの奥に取り付け穴があり、その下はガソリンタンクです。
取り出した燃料ポンプを分解して清掃しました。乾いてくると各部に粉末状の汚れがついていることがわかります。ガソリンには不純物も混じっているようです。
これが燃料ポンプ本体です。他の部品はまだ使えるのでポンプだけ交換します。
燃料ポンプの裏側です。こちらからガソリンを吸い上げます。
「古いポンプを捨てるのなら分解してみたいなー」とつぶやいたらアルミケースをニッパーでクルクルと「剥いて」くれました。リンゴみたい。(笑)

燃料ポンプの正体はふつうのモーターだったのですね。

え、ちょっと待ってください。下から吸って上から出すということはモーターの内部をガソリンが通るの!?

手で持っている部品にブラシがついています。コミュテーター(接点)がかなり磨耗しているようです。接点といえば火花が飛ぶはずなのですが、ガソリンに浸かっていれば引火しないということでしょうか。

なぜこれがポンプになるのか不思議。アマチュア(回転子)の下の部分に秘密があるようなのでバケツの水に浸した状態でアマチュアを右に回したところ、軸の付け根から水があふれてきました。たしかにポンプになっています。

納得いかないのでもう一歩分解してみました。

オイルポンプも同様の仕組みで「トロコイドポンプ」と呼ばれるそうですが、これはトロコイド曲線による歯型を使っていません。それでもモーターの回転によって隙間の容積を変化させて燃料を吸引、吐出する原理はおなじでしょう。

ロータリーエンジンにも似ていますね。風呂の残り湯を吸い上げるポンプもおなじ理屈なのかも。自宅にあれば早速分解してみるのですが残念です。(笑)

新しい燃料ポンプは底面にメッシュのフィルタが貼ってありました。
燃料ポンプを交換して組み直すときに、ステーに擦れて破れる恐れのあるジョイントホースを交換しておきます。

その後、無事エンジンがかかりました。ガス欠は燃料ポンプの空回りになるのでよくありません。ギリギリまで走らせずに、ある程度はガソリンを入れておいたほうがよさそうです。