レポート恒例,Eワヤマさんの番外編です.本人は最後まで「BXって一体どういうクルマなのだろう」と悩んでいましたが結論は出すことができたでしょうか?
- ■ EワヤマにとってBXとは
- BXレポートが終了してから自分なりにBXを考えてみました.リトモの時は初めから終わりまでに自分の想像していた物語が読めていたのですが今回はこうしてレポートが終わってしまった今でさえBXが掴めないでいるのが不思議なんです.
そもそも色が素敵でクルマが輝いて見えたなんて理由で手に入れてしまったことがBXに対しての認識の甘さだったのかも? 苦労をしていた話やあまりの値落ちは何が原因かをhisataさんのレポートを通じて探ってみたい気持ちもありました.そんなことで始まったレポートですが正直言ってボクが一番BXを分かっていないような気がしています.
BXを趣味のクルマとしてはとらえていません.このクルマは100%実用車だと思います.しかも基本的に長い距離を乗り込むことではじめて理解をしあえる部分が多いと思います.チョイ乗りよりは長い距離を移動する方が本来の味が生きてくると思います.町中を走りながらシートの良さは分からない、でもちょっとした距離を走り込むと分かったりします.
ここで行き詰まってしまったようなので,あとは hisata がメカニックの長屋さんに聞いた話をまじえてまとめます.
まずレポート後のBXの状況を.
予想どおりBXは長屋さんが乗っています.いわく「申し訳ないけど絶好調」だとか.排気ガスが黒くなくなって,高速中心の通勤では燃費もリッター10km!? そりゃないでしょ?(笑)
交換したもの:スパークプラグ,エンジンオイル,ATF
調整した個所:キャブのチョークバルブを全開固定(チョークを殺した),キャブの燃料の濃さを絞った,キャブの燃料カットソレノイドバルブ端子を半田付け(アイドリングしなくなった対策)今回わたしは HAYNES WORKSHOP MANUAL を買いませんでしたがシロトエンBXは日本語版(メンテナンス&リペア・マニュアル \5,700)が販売されています.長く付き合うつもりであれば1冊もっていてもいいかもしれません.もちろん,ご自分でメンテナンスする気があれば,の話です.
長屋さんは「BXは安楽の地」だといいます.
イタリア車は面白いけれどせわしない.それに対してフランス車はホッとするところがあります.それを退屈だと感じる人もいるでしょうが,たとえば一日の仕事が終わって疲れた身体を預けるクルマとしてはBXっていい.わたし自身,病み上がりの身にBXは優しかった.
以下,BXに関する「長屋語録」です.
- ブレーキ踏んだときにノーズダイブしないのがいい
- ゆとりがあってリラックスする.慌てようという気がしない
- 雨でも路面状況を選ばずに走れる
- 安堵感があるからスピードが出せる
- 3,000rpm 前後で巡航するのがいちばんいい
- 街中を乗るクルマじゃない.高速クルーザー
クルマの乗り方や楽しみ方は十人十色.なんだかんだ言いつつも気に入ってる.それでいいんじゃないかな?
- ■ ルッソ流・BXの楽しみ方
- 深夜,Eワヤマさんとふたりでお茶を飲みながら「BXってどういうクルマなんだろう」と考えてみました.
「hisata さんが言ってたようにBXは旅行カバンじゃないかと思う」そうです.そのココロは「旅行そのものを楽しむことができる」.
たしかにカバンを気にしながら旅行する人はいませんよね.たとえば足摺岬で撮った写真の片隅にBXが写ってる.そんな付き合い方がいい.でしゃばらないから長く付き合えるような気がします.その凡庸さがいちばんの特長なのかもしれません.
ガンディーニだからとか,ハイドロだからどうだとか,そういう理屈は抜きにして「こんなふうに楽しみましょうよ」というのがルッソのスタイル.「色とヤレ具合が良かった」というだけで買ってしまうところがEワヤマさんらしい.その「感性の人」に理由を説明しろというほうが無理かもしれない.(笑)
思い入れという荷物を満載する人,なにも持たずに乗る人.
だれを,なにを,乗せても,乗せなくても
BXはボディを水平に保って走りつづけるのです.
完