夢から覚めて第2章が幕を閉じました.ここからは第3章.新しい展開はあるのでしょうか? それはわたしにもわかりません.

■ 夢のつづき

夜,帰宅するためにDD6のイグニッションを回して暖機しながら,人気のない駐車場でDD6を眺めている時間が好きです.

リアからサイドにかけての眺めがいい.歩きながら見ていると意外に低くて細長いクルマです.室内もよく見えるので全体の質感が高いことに気づいてハッとすると同時にうれしくなりました.

「ふつうのクルマ」かもしれないけれど,DD6でのんびりと都会を流す時間もいいものです.ちょっと贅沢してる気分に浸ることができます.一流ホテルのカフェでお茶を飲んでいるような感じかな.(笑)

このレポートでわたしが余裕をもってDD6を楽しめるのは大体2日に1度しか乗らないというのもあるかもしれません.毎日決まった時間に着かなければならないとしたら疲れると思います.毎日時間に追われる状態で乗るクルマじゃない.すくなくともわたしは避けたい.

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じつはこのレポートを始めるまでクルマへの興味を半ば失っていました.

ALFA164はオーディオを楽しめるようになったので都内の足としては申し分なく,これ以上手を加える必要もありません.いまのコンディションを維持していけばいい.ニューモデルに買い換えるつもりなどないし,他に乗りたいクルマがあるわけでもない.

いろんなクルマに乗せてもらうと,次第に新鮮さが失せていって,みんな似たり寄ったりに見えてくるのです.そうなると急速に興味を失っていきます.「夢から覚めないほうが幸せ」だと思うのは本音です.でもわたしは覚めてしまうのです.不幸です.

それでもクルマが嫌いなわけではありません.どうせ乗るならすこしはこだわりたい.そんな中でEワヤマさんと話していて,英国セダンに興味をもったわけです.彼は「セダン=実用車」ではなく,楽しめるセダンを探しています.

レポートするということはデイムラーという丘に登るようなもの.丘に登るとこれまでとちがった景色が広がります.いままで見えなかったものが見えてきます.すると新しい方向性=進むべき道が見えてくるのです.それがいちばんの収穫.

個性的なクルマはいろんな発見があるからうれしい.そのクルマを通して自分の価値観が見えてくるのもおもしろい.人に媚びるような中途半端なクルマはだめですが,確固たるポリシー(志)を持ったクルマは自分を映す鏡になります.

ダブルシックスは背筋をしゃんと伸ばして乗るクルマです.