Elise So Far


ずいぶんと長いインターバルをとってしまいました。実はボクのエリーゼはルッソのお客さんのもとに嫁いでしまい、自らがオーナーとしてレポートをすることができなくなっていました。

しかしながらオーナーのご厚意により時々は乗らせていただいたりしており何らかの形でエリーゼとは続いていました。今までにルッソの手からオーナーに渡ったエリーゼ達を面倒見ながら分かってきたルッソなりのエリーゼレポートを総集編としてお届けいたします。

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エリーゼにはエアコンというものが装備されていません。従って夏場は暑さをまともに感じます。人間が耐えられないような暑さでもエリーゼは基本的に問題ありません。オーバーヒートの心配はしなくてもいいということです。水温計が105度を指せば電動ファンがしっかりと回り出し95度位までは速やかに下げてしまいます。これが頻繁に繰り返される場合のコンディションの時はクルマより人間が耐えられませんのであしからず。

暑いときに起きるトラブルで気になるのがクラッチの切れが悪くなりギアが入りにくくなるということがあります。これは当初クラッチレリースホースにエアが噛んでしまうためだと思っていたのですが、どうやらレリースシリンダーのマウントしてあるプレートが動いてしまうために起こるということが原因だと思われます。今、対策部品を作成中です。今年の夏にテストしますのでお楽しみに。

サーキット走行をした後や峠を走ったりしたクルマ達を点検して発見した増し締めポイントがあります。それがリアの足回りのボルトなんです。今までに色々な部分を点検やオイル交換時に増し締めしてきましたが、あるオーナーから相談を受けたハンドリングの異常の原因追求をしているときに見つけました。それまではどこも緩んだりしないのでなんだか恐いくらいでしたが緩んでいて安心しました(嘘)。

症状としては真っ直ぐ走らせるのが困難になるのですぐに分かりますが、その時点でかなり緩んでいますので定期的なチェックが必要です。オイル交換の都度、チェックすることをお勧めします。

クルマとしてのエリーゼは現代の新車のレベルでいえばメンテナンスに関しては合格だと思います。特に面倒なトラブルは出てこないし、維持費は低く抑えられます。

エンジン関係の消耗品に関しても困ることはないですし、特殊な工具も必要としません。唯一の心配事はクラッシュによりボディにダメージを受けた場合ですが、ボディパーツは案外早く揃います。個人的にはカーマガジンを読んでから更に気が大きくなったりしています。基本的にFRPですから直そうと思えば直せます。そんなことはないほうがいいに決まってますが。

次回はサーキットでのエリーゼのインプレをお伝えしたいと思います。エリーゼがその真価を発揮できるのは曲がった道だということを何人かの証言と共にお伝えいたします。