登場するのも恥ずかしい程ご無沙汰していますが、340Rという恐ろしく非実用的なクルマを手に入れてしまいましたので少しだけどんなクルマかをお伝えしようと思います。最後に最近入手したエリ−ゼ情報もお伝えしますのでお楽しみに!
■ カッコ悪い!
初めて340Rを見た時はもうそれは悪い印象でした。なんと言っても格好が受け入れられない(許せない)と感じたのです。勿論初めて見ると言うのは雑誌の中の姿ですから実車はどうかと判らないものですが興味は半減、雑誌等でそれ以後記事になっていても読んでもいなかったと言うのが正直なところです。
hisataさんが言われるように昆虫系の顔が許せなかったし、リアウイングやフロントスポイラーも大袈裟で嫌だと感じました。そのうえドアとヒーター、勿論エアコン、ラジオもつけれない、なにもないクルマ、どんな人が乗るのかと考えてしまうクルマでした。
エリ−ゼが雑誌等でスクープされておぼろげながら姿が見えた時は悩まずに買いましたが今回はそこ迄の気持ちの昂りもなく機会があれば一度くらいは運転してみたいなって感じでした。
エリ−ゼを手放してからロータスとじっくりと向き合う機会が減っていましたし、マセ ラティにのめり込みその妖しい世界に浸かっていたのです。
■ 実車にKO!される
目の前で何人ものお客さまが自分のお気に入りのクルマを手に入れられ満足そうな笑みを浮かべているのを眺めている時にふと、クルマが欲しくなりました。知り合いや友人がクルマを買い替えたりするとなんだか自分もなんて考えてしまう感覚に似ています。 マセラティ、できればギブリGTが欲しいと考えていて、探しました。非常に素敵な個体に出会えてもうすぐそこ迄来たと言う時に後輩にさらわれていきました。これが最大のきっかけで340Rに向かう事になったのです。
7月の夕方、340Rは目の前にやってきました。一目見た瞬間にカウンターパンチ!! あまりの格好良さに痺れてしまったのです。まさにノックダウン状態。気になっていた多くの事柄はすべてクリアされてしまいました。
最終的に自分に言い訳として「このクルマはELISE340RなんだからEワヤマは乗るしかないのでは?」と問いかけて決定しました。
■ 硬派?
見るからにイカついクルマですから人に与える印象は二つに一つ。「いい」か「何これ?」しかありません。一般的には後者が圧倒的に多いので道路を走るとその視線に耐えられなくなりうつむき加減に運転する事となります。私などは340Rを堂々と乗る事にまだ慣れていないので一人で乗る事ができません。(笑)
ナンバーを取得する前にガソリンを入れに近くのスタンドまで乗った時が最初のドライブでした。第一印象はエリ−ゼとなんら変わらないクルマでは?と言うのが動かした感想で、スタンドの入り口でおじいさんに『大丈夫か?そのクルマ』と指をさされ笑われたのが一番のショックでした。(涙)
そこから暫く暑い夏になり9月を迎える迄「夏眠」(カミン)してしまったのです。私は真夏に340Rを乗れる程の硬派ではないと言う訳です。
■ 初めて知る340R
9月の中旬にナンバーを取得しました。午前中に動けば大丈夫だろうと言う思惑は見事に外れ上半身汗でベタベタ、後悔しました。とにかく普通よりも暑いのです。 日ざしに熱気がミックスされ頭の後ろから熱のシャワーが出てくるのには困りました。 これは寒くなっても暑いのではないかと言う不安に繋がりますが、10月の夜で暑いと言う結果がでています。
陸運事務所からの帰り道、少しだけアクセルを踏んでみて久しぶりに興奮しました。最近乗ったクルマにはない感覚。360モデナの速さとは根本的に違う種類の速さに感動しました。大パワーで速いのとクルマが軽くて速いのではアクセルを踏んで感じる感覚に違いがあるように思います。軽いから速いクルマは大パワーで速いクルマより恐さが小さく感じます。踏んでいく事を楽しめる範囲が広いように感じられるのが私がロータスに惹かれる理由の一つにあります。
■ ドライバーの為に
多くのロータスのモデルがドライバーを第一に考えているように感じます。運転する人が満足できるようにクルマを作るという基本姿勢に変化がないから嬉しいのです。
340Rはドライバーに対して要求してくる事のレベルが高いのではないかと想像していましたが基本的には違います。緊張感を伴うドライビングをすればそのように、気を抜いて流す時はそれなりに受け止めてくれます。
まだ慣し(人間の)が始まったばかりですからそれほど緊張感を伴うドライビングはしていないので多くは伝えられませんが、そのハンドリングの鋭さには思わず声が出てしまいそうなくらい新鮮な感覚があります。切れ味がどうとか雑誌の記事で読んだ事がある言葉を使う事なんて本当にあるのかなんて思っていましたが、体感しました。Sタイヤの影響もあるでしょうがそれを専用タイヤに指定しているという事はそれだけ足に自信があったのでしょう。ハンドリングに関して市街地とちょっとしたコーナーにおいては十分すぎる面白さを与えてくれるクルマです。
■ 340Rの音
エリ−ゼに乗りはじめた時に一番始めに寂しいと感じたのはその排気音でした。 私は別に大きな音を出して走る事は好きではないのですがあまりにおとなしすぎたのが気になっていたのです。結局自分が乗っていた時はノーマルのままでしたので、その後多くのエリ−ゼオーナーがマフラーを交換するのを羨ましく感じていました。
今回は非常に満足しています。それどころかエンジンと耳の間に遮るものが何もないのですべての音が耳に飛び込んできて辛く感じる事さえあります。排気音に関しては3000回転を境にガオッと吠えてそのままアクセルを踏んでいけば更にグアァ−ァって感じで吹き抜けて行きます。まさにカムに乗る感じで回りたがるエンジンです。アイドリングは非常にラフで、昔乗っていた4気筒のM3の少し調子の悪くなった時のアイドリングに似ています。いまにも止りそうなくらいラフな感じがこれまた気に入ってはいるのですが。(少しおかしいと自分でも思う) 良い感じの排気音なんですが深夜の帰宅や早朝のウォームアップは気が引けるのが難点です。
■ ロータス、乗って楽しめる?
最近のエリ−ゼを取り巻く環境は発売当時に比べて劇的に変化しました。まずはインポーターができているという事実。3年前にエリ−ゼを取り扱い始めた時にはロータス自体がどうなるか分からないような状況でした。そんな状況の中でエリ−ゼを選択して購入した方々から見れば今は非常に選択しやすい状況に感じるのではないでしょうか?
また今でこそ色々なアフターパーツも選択できるようになりましたがこうなるには当時に勇気を持って開発に関わってきたお店の努力も大きいと思います。エリ−ゼ用のパーツの広告が増えてきている事はユーザーにとっては楽しみ方を選択できる要素が多いという事にもなる訳です。
そして現在、エリ−ゼにはついにエアコンも装備する事になりました。実際に装着してあるモデルを見てみると、初めからそこにあったかのような吹き出し口があります。今迄エアコンがない事がネックで購入に踏み込めなかった方もこれで思い切りを迫られる事になるのでは?
更にバリエーションが増えてきている事にも驚きです。160馬力、エクシージュ、エスプリが選択できます。エアコンの装着はほとんどのモデルに可能になりました。更に少しショックですが新しいエリ−ゼもでてきます。前から見ると340Rの顔に少し似ていて、後ろからみるとロータスM250を思わせるようなスタイルになっていました。 マフラーの処理は340Rに似ています。
実用車プラス1を考えた時にロータスが多くの人の選択肢にあがる日も来るかも知れません。
■ これから
涼しいというより寒いと感じるようになりました。これからやっと340Rのシーズン開幕って感じています。今後は少し触れる機会を増やしつつ走行を重ねていき感じた事があれば不定期でお伝えしていきたいと思います。
やはりサーキット走行もしてみたいですし、山道も走ってみたいと考えています。 曲がった道が続く所を走り続ける事が最高に楽しいのではないかと感じています。 サーキットよりも自然の中で気持ちよく自分のペースで走った時に私と340Rの相性が一番はっきりすると思うのです。
初めてEUROPAをドライブして感じたロータスのクルマ造りが340Rにも引き継がれていることを確かめていきたいと思います。
そして今のロータスがこれからも変わらないで欲しいと思います。