Maserati REPORT No.2

トルクを楽しむ4V


最近マセラティのエンジンの扱い方がわかってきました。勿論こんな事は各々が自分なりに感じてできてくるものだと言うのは分かっていますので「Eワヤマ流4Vエンジンの扱い方」とご理解ください。

基本的にトルクを楽しむエンジンなんです。だからいきなり高回転まで一気にいこうなんて野暮なことは受け付けてもらえません。勿論踏めば一気に回りますがそれはどんなクルマでも同じです。

トルクを楽しむなんて分かりにくい表現だと思いますので実際に私の乗り方をレポートしてみたいと思います。

■ エンジンの二面性

雑誌などでマセラティのエンジンのフィーリングを紹介する時によくこの二面性が大袈裟に語られています。タービンが二つも付いているんだからそれが正常に動けば一気に加速するに決まっています。ターボが効くから二面性だとは思いません。二面性と言うよりは二通りの使い方があるのでうまく選んで使ったほうが楽しめると言うことなんです。

基本的に3000回転が分岐点になります。一般道で足として使っている時は3000回転以内で十分です。しかも3000回転の間には使えない回転が含まれています。アイドルが1000回転あたりでそこから1500回転までの間がまさにそれです。のたのたぐずぐずって感じがぴったり。1500から3000回転が街中を流す時に使うレンジなんです。

そして3000から4500回転。ここがいわゆるマセラティのエンジンの一番いいレンジです。この回転をキープしておけば後は右足の扱い方一つで280頭の馬を思うように走らせることができます。これ以上の回転は必要なときに使うものだと思います。5500回転まで使うことは極まれなことだと思えます。勿論使うときもありますが。

トルクを楽しむためにはこの二通りの扱い方をさらに乗り手が良識と技術を織り交ぜながら組み合わせていくことにより得ることができます。前があいて加速が欲しいときにはアクセルを少し踏み込み鞭を入れるだけで面白い加速が得られますし、流しているときは低速トルクを使って気楽に流しています。曲がりくねった道はあまり得意ではないですが加速とブレーキングをバランスよく混ぜ合わせて楽しめます。マセラティは乗り手のレベルに合わせて走っている訳です。

■ モデナっ子

イタリアに行くと必ずモデナに行きます。ミラノから電車で2時間弱、すごくのんびりした風景のいなか街なんです。但しクルマ好きには堪らない街なんです。もちろんクルマ好きと言っても全ての人にとってではなく極一部のファンにとってですが。マセラティの故郷なんです。僕の手元にある4Vも勿論モデナっ子というわけです。マセラティ本社はモデナにあるんです。

今年は3200GTの発表会の前日にモデナ入りしてその姿を見てきました。格好いいんですがなんだか遠い感じがしました。最近新しいモデルにときめいていないのがさみしく感じている中で3200GTには期待していました。そしてやっぱりいい感じでした。でも何か変わってしまった感じもありました。新しいマセラティなんだと感じました。フェラーリ傘下だから嫌だと言うつもりはありません。雰囲気が変わってしまったかなって感じただけです。(乗れるなら乗りたいです)

また機会を作りモデナレポートしてみます。観光案内にはなりませんが何かの役には立つかも知れません。