Maserati REPORT No.4

故障神話なんて


長い間レポートが中断していましたが何もなかったと言う訳ではなくマセラティの基本的なメンテナンスを日常的に行っていました。故障と呼べるものから改善にいたるまで中身の濃い一ヶ月を今年最後のレポートとしてお届けしたいと思います。

■ マセラティのA.D.I.

以前、本当の意味での日本仕様への改善を目指したいと言う事を話した事があります。オーナーの手元にクルマが有りそれから乗り続けていくために改善する事が大切なのではと考えた話でした。勿論今でもそれが大切な事であるのですが、その為には多くの事例を必要とし、かつ解決させておく事が必要とされます。そしてその経験がデータとして蓄積され次からの修理に生かされます。

壊れたと言う噂や事実が多ければ多いほどそのクルマが見えてくるのがメリットです。幸いにもマセラティには噂や事実が非常に多く存在していますのでそれを真っ直ぐ受け止め考察していけばどんなクルマかが見えてくる訳です。

■ 故障神話 電気系

基本的に新車から不具合を持っている場合も少なくはありません。簡単な言葉で電気系としてみましたが今回はヒューズボックスに関してのトラブルとその対策を報告します。

イグニッションをオンに捻ってもメーター上部の警告灯が点かないという症状が出ることがあります。この状態ですとメーターはスピード計、回転計、燃料計、電圧計がお休みした上、方向指示器も機能しません。運転する事が辛くなる状態です。

原因はヒューズボックスの基盤のはんだ付けが悪い事です。これにより接触が悪く時々お休みをしてしまう訳です。更に方向指示器を出した際に流れる電気の量を受け止めれずに活動を停止してしまう事も併発します。

対策は一つ! 車内側とエンジンルーム側を繋ぐ基盤を外してはんだ付けをし直します。そして確実に配線を繋ぎ固定する事で完全に解決できます。222SE,222SRで体験しましたがどちらも対策してからは大丈夫です。

もうひとつオルタネーターについてです。オルタに関してはデルコ製とマレリィ製がありどちらもオーバーホールが可能です。基本的には電圧計が通常で12を切ってしまうようでしたらオーバーホールしたほうが良いでしょう。国産のオルタでも装着できますが三菱製を取り付けて12万円ほどの費用が掛りますからオーバーホールしたほうが安く済みます。

■ 故障神話 駆動系

今回はデフからのオイル漏れを報告します。スパイダーザガートでリアデフからオイル漏れを発見しました。多くのマセラティに見られる程度のオイル漏れでしたが、場所が場所だけなのと、結構多くのマセラティが患っていますので修理しました。

作業としてはドライブシャフトを外し、デフ側のシールを交換するという作業です。手間がかかる作業でした。修理後ディーラーのメカと情報交換した際にこれは非常に大切な作業であった事を確認しました。早めに対処しておかないとデフを痛め、交換に繋がる事になります。甘く見てはいけない症状ですのでオーナーの方、及び購入を考慮している方は要チェックポイントです。

■ 故障神話 消耗品

マセラティに限らずクルマには消耗品が多くあります。ここでいう消耗品にはこれも含むのかと思われるものが有るでしょうがマセラティに関していうなら消耗品だと言えるものです。そしてそれらを消耗品として認識できる方がオーナーとして楽しくマセラティと付き合える方なのでは?と思います。クルマ選びの段階の方にはある種の踏み絵的ものですので○×式でお楽しみください。因みに全部が×の方はマセラティはお止めになったほうが良いと思います。

  1. タイミングベルト 25000キロから35000キロ毎交換する事をお勧めします。切れたら交換費用の7倍程必要になります。
  2. エンジンマウント どんなクルマでも交換時期はやってきますがマセラティに関してはそのスパンが早いだけなんだとご理解ください。
  3. バッテリー 電池交換は長くて2年を目処に!転ばぬ先の杖だと思い早目の交換がお勧めです。電池切れはここぞと言うときにやって来ますからご注意ください。
  4. 故障神話で紹介した全ての内容 これに関しては許すと許さざるとに関わらず理解できるかどうかが問題。

これ以外にも番外編として値落ち幅があります。この問題に関してはこれからのマセラティの人気が大きく左右しますのでなんとも言えませんが少なくなっていく事が願いです。不当に評価されるのが嫌なんです!良いクルマかどうかはオーナーが決める事であり、そうあって欲しいクルマなんです、マセラティは。

■ 今の愛車と来年

私は今、カリフになっています。マセラティ家のやんちゃ娘と評判のカリフと付き合っています。今一つ本調子でないカリフが来年は完調に仕上げられ本来の性格を発揮するさまをレポートしたいと思います。来年からはマセラティの走りに関して少し手を加えていってみたいとも考えています。何かこんな物を作ってみたらなんていう物がありましたらメールでも下さい。できる限りは形にしていきたいと考えています。

と言う訳で来年もマセラティレポートは頑張っていきますので宜しくお願いいたします。