真夏のマセラティ
最近マセラティに関する問い合わせや質問を良く受けます。大体の質問は壊れますかと面白いですかと言う質問です。
この質問に答える事がボクにとって一番困難な事なんです。壊れると言えば壊れると言えるし面白いと言えば面白いんです、マセラティは。でもこの部分は人によってまちまちで受け止め方でどうにでもなってしまう部分でもあります。それまでにどんなクルマに乗ってきたかで変わる事が多いと思います。同じマセラティに乗っていたとしてもそのコンディションにはばらつきがある訳で手放した時にどうだったかで残る思い出もまったく別物になるものです。
■ マセラティに乗ること
マセラティに乗ると言う事が特別な事だとは思いません。色々なオーナーに会える機会も増えてきて特にそう感じます。特別なのはクルマではなく選んだ時の自分の気持ちだと思います。あまり大きくない市場に飛び込む自分の気持ちがマセラティを特別にしている以外は何ら他のクルマと変わらないと言う事です。
イタリアでマセラティに乗ると言う事は日本で乗る事よりも困難に思われます。第一に価格的に購入できる人が日本よりも限られています。逆に言えば日本は幸せだと言う事です。当然新車が売れないのですから中古車なんて不足する訳です。その中で購入できる人は複数台持っていたりするのが世界共通だったりします。イタリア人がマセラティをどう楽しんでいるかをこの次イタリアに行った時はもう少し把握してきます
■ A.D.I.報告
このところ暑さでへばり気味のマセラティ達のトラブル例とそれに対する対処などを報告したいと思います。最近で最も多く修理したのがオルタネーターです。どうも充電器に不調をきたすクルマが多くバッテリーを絡めて動けなくなるトラブルを起こします。どんなクルマでも電池が切れれば動かなくなるのですがマセラティはどうにもここが弱いようです。オルタネーターが壊れると充電をしなくなり車は動けなくなるのです。オルタ自身の問題の時もありますがバッテリーが原因の時もあります。バッテリーが駄目になって機能していないとオルタを巻き込んでしまいます。電気を作れど作れど貯まらないうちに過労で壊れると言う最悪のパターンに陥ります。対処としては早めのバッテリー交換が予防策となります。
■ 夏に挑戦
夏場は電動ファンが非常によく働くので電気の使用量も増えています。そんな時に渋滞に巻き込まれると充電が追いつかなくなりオルタが壊れていく事ではないかと予測をしました。アイドリング状態ではもう充電量が足りなくなるのは分かった訳です。これを教えてくれたのはレーシングでした。レーシングはいわゆる中古並行車です。このクルマを平気にする事がルッソとしては大きな意義を持ちます。
改善したのはオルタネーター。ベルトを掛けるプーリーの径を新しく計算して図面を作成しオリジナルで作り直しました。その対策プーリーをオーバーホール(ダイオード交換等)したオルタネーターに使います。アイドリング数は変わらないとして発電量を増やすためには今までより多く回転させる訳でプーリーは勿論小径です。今までのベアリングでは耐えられない可能性もあるのでベアリングも交換します。これによりアイドリング時での発電量をアップする事に繋げました。
弱点を補っていく事が中古並行車を販売しメンテナンスしていく責任であり楽しみでもあります。それをそのままディーラー車にも生かす事がA.D.I.なんです。本当の意味での日本仕様をこれからも考えていきたいと思いますので壊れ自慢できる方はメールでも下さい。返事はレポートで出来たらと思います。
■ スパイダーザガート再び
久しぶりに愛車ができました。95年登録のザガスパです。このクルマも前例のごとくいつまで乗れるかは定かではないのですが今一番のお気に入りです。コンディションはまずまずです。何よりも雰囲気を重んじるこのクルマにおいてお気に入りの色の組み合わせと出会えた事が幸せでした。走る事については今回は特に何も無いのですが欠品パーツに関して少しだけレポートします。
フロントフェンダーにあるZAGATOのバッチが現在欠品となりました。因みにその他の欠品パーツを少しだけお伝えします。まず七宝のマセラティエンブレム。あれば非常に欲しいパーツです。あとフロントグリルのマセラティエンブレムに丸い囲いが無いタイプ。これも非常に欲しいパーツなんです。一応これらは正規ディーラーの情報ですのでアメリカやイタリアの現状ではない事をお伝えしておきます。