Maserati REPORT No.10

マセラティを視界に捉えて


最近雑誌でもマセラティの扱われる事が多くなってきたように感じています。今までは視界には入ってくるけどリアルに感じた事が無かったクルマだったマセラティ。でもそのマセラティに少しずつ光が当たり始めて来ていることを感じています。光が当たり始めると輝き出すクルマとそうでないクルマがはっきりと分かれてきます。例えばアルファロメオ。このクルマはまさに輝き始めてきました。 多くの新しいオーナー層に恵まれ支持されメジャーなクルマとしてその存在をアピールしています。多くの方々の生活に受け入れられやすいクルマである事をその台数が証明した訳です。

ではマセラティはどうなんだろう?と考えてみて違った訳です。少なくともアルファロメオほどは急には伸びなかったと思います。これから何年もかかって大きく成長する可能性はありますがアルファのそれとは違うような気がしています。そしてそれはオーナーにとってけして寂しい事ではないと思います。自分が選んだクルマが多くの支持を得る事に安心する人はマセラティを選ぶ事は少ないという事実を受け入れられるからです。少し変わったクルマに乗ってみて気がつく楽しさだと思っています。

■ マセラティに乗ってみて

私はマセラティに乗ってみて自分が感じた事をこうして不定期にレポートしています。今までマセラティに乗る事はこのクルマに纏わるいい加減な認識や数々の故障神話が事実かどうか知りたかった部分にありました。そしてそれらをほとんど体験して乗り越えてきたつもりです。販売するだけでは分からない日常的な苦労も一通りこなしてみました。確かに乗り始めの頃は戸惑うトラブルにも出会いました。多くの方に出会い多くの情報を手にしてそれらを乗り越えてきました。メカニックに掛けた苦労はかなりのものだったと思います。勇気あるオーナーに協力して頂いた事にも感謝しています。 そして一つの答えを手に入れました。

■ マセラティは楽しめる

マセラティは楽しめるんです。勿論全てに関して大丈夫なクルマではありません。サーキットなんて好きじゃないし曲がりくねった峠なんてはやく終わって欲しい事が多いです。でもマセラティの持つ良さを自分なりに理解してあげてその部分と付き合える人なら楽しめるんです。クルマと正面から向き合えて選べる人なら十分楽しめると思います。マセラティを乗ることにあまりに固まったイメージが多い事にはじめは疲れていました。例えばスーツで乗る雰囲気だとかそんな感じのイメージです。でもそれは違っていました。色々と人が作ったイメージに乗せられている事が多いのです。でも最終的には自分のスタイルで乗りこなすだけでした。クルマが使えるようになってきた時(トラブルを克服した時)から乗りこなせてきたわけです。

■ マセラティに乗ってみませんか?

このコピーは東京のマイクロデポさんの広告で見かけたものです。 マイクロデポさんが言うこのコピーが気に入っています。売り手が何とかできないとなかなかこうは言えません。そして私も同感しています。無理して乗るクルマではないのですが興味があるなら乗ってみませんか?

今から気にしていればいいクルマに出会えるかもしれません。知り合いにいいコンディションのマセラティを持っている人がいるなら譲ってもらう交渉をしてみたりするのもいいかもしれません。お店で探すなら売り手を見極めたりする事から始めたり、乗せてもらったり。自分の納得できる方法で探してみる事からスタートする訳です。いい個体に出会えるのは今後減っていくでしょうし、絶対数も知れています。気になるモデルがある方は少しだけ動き始めてみてはと思います。いきなり見つかる事なんてそうあるクルマではないんです。安心してください。(考えながら走るくらいで丁度良い)

■ 今後のレポートの行方

今までのレポートにお付き合いして頂きましてありがとうございます。本当に不定期でかつつたない文章でしたが自分なりに思う所を書けた事もあり多少満足してはいます。この一年で4V、ザガスパ、SE、クアトロポルテ、カリフ、そしてザガスパと乗りました。一台が非常に短いスパンであるに関わらず中身の濃い一年でした。その間に多くのユーザーに出会いそして多くの修理を体験してきました。ルッソのマセラティユーザーにも多くの情報を頂き協力をしてもらいました。それらの経験を基にある企画を考えています。次回からはその企画モノをスタートしたいと思います。