Maserati REPORT No.11

カリフ番外編


hisataです.ルッソでカリフに乗せてもらいました.近所を一周しただけですが,そのときの印象を記しておきます.

■ イメージが先行,先攻,閃光

マセラティ・カリフというクルマは以前にも見たことがあるのですが,そのときのオーナーはデフの不調で苦労していました.そうでなくても「故障神話」を背負って立っているイメージがあります.実際,そのカリフがはじめてルッソに来たときもEワヤマさんは「調子が悪い」と言っていました.くわしい内容は聞いていませんが,電気系統をはじめとして必要なところは手を入れたとか.

キーを受け取ってシートに座るといきなり違和感があります.黒革シートなのですがおおきな凸凹があるので身体にしっくり来ない.自動車のシートというよりも応接セットみたい.シートの前後位置を合わせて,ブレーキとクラッチを踏んで,シフトを(そう,マニュアルなんです)ニュートラルに戻してイグニッションを捻るとエンジンがかかりました.

でんでろでろでろ…と低い排気音.軽く煽るとシュンシュン鳴ります.ギリギリと重めのクラッチを踏んで1速(左手前)に入れてスタート.ふつうに走っていてもつまらないのですこし踏んでみたい.広い通りに出てじわっと踏んでみました.「波動砲」みたいなターボですね.じわっと「気」を溜め込んで一気に吐き出すみたいな.うしろからヨイショと押される感じ.「おぉ!」と思ったつぎの瞬間「おいおい」.このクルマ,まっすぐ走らない!?

■ オトコのクルマ

思ったよりブレーキは効くけれど,急激にリアタイヤにパワーをかけるのは怖いです.それにドライブシャフトが床下で回っているのを感じます.これも怖いかも.Eワヤマさんに注意されたとおり,3速で踏んでいくとボッボッボとエンジンが「咳をする」ことがあり,そのときはアクセルを戻すことになります.厳密には完調とはいえないのでしょうけど,これくらいなら許容範囲内.そもそもクルマの「完調」なんてオーナーが気にするかしないかで決まるものでしょう.

やはりマセラティは内装の雰囲気がいい.外見は,現行クアトロポルテは上品だけど,黒いカリフになると「オトコのクルマ」です.屋根を取ってスパイダー・ザガートにすると雰囲気が変わるのが不思議.

カリフってわかりやすいクルマです.ちょっとワルそうなイメージと踏めば速いイメージ.どっちもアブナイ感じ.どっちみち at your own rist.リアシートらしきものはあるのですが,車検証の定員は2名だそうです.家族のためではなく,あくまで自分のために乗るならばこういうクルマもいいですね.

カリフでいちばん気に入ったのがシフトノブ.あの形とすべすべした手触りが好きです.(アブナイ?)