Maserati REPORT No.12

マセラティ、マセラティ!


お久しぶりです、Eワヤマです。不定期な連載になると言い訳してからずいぶんと時間が過ぎました。最近の状況に思う事があったり、今まで分からなかった事で理解できるようになった事などを少しだけお伝えしてみようと思います。

■ マセラティ、マセラティ!

月刊ティーポの最新号に「ギブリが欲しい」なんて特集があるので読んでみました。内容は自分がこのレポートで書いて来た事を活字にしてある部分があったりして、無断で使わないでほしいなぁ。(笑)

雑誌に紹介される機会が増えたのは感じます。今までマセラティに関してまともに取り組んでいた記事なんてなかったのにここへ来て増えました。中古車情報誌にもマセラティがちらほら載っている事から、今まで扱っていたお店に加えて最近扱い始めたお店が増えたのだと思います。

溢れるほどのマセラティ、そんな事は勿論ありえません。が、今は欲しいと思えば何台かは見つけられる、そんな時期が来たようです。

もともとこうなる要素はたっぷりあったクルマですから喜ばしい事だと思います。反面、クルマ選びは以前より難易度が上がってくるという事実も見過ごせません。購入の際には慎重にお店選びから始めることをお勧めします。参考までに一つだけ…

良いクルマは少ないです。慌てないで慎重に!

■ マセラティ一気乗り

先日、マセラティを一日で5台、乗り継ぐ機会に恵まれました。一台につき平均20kmの道のりでした。最近自分のマセラティを持っていないので忘れかけていた感覚をたたき起こされた気分です。

乗り継いだモデルはザガスパ、ギブリAT、ギブリGT、ギブリGT2.0、レーシングでした。2台のATと3台のマニュアル車を朝から乗り継ぎました。正直な感想は非常に疲れたの一言ですが運転している時は何も感じていません。

マセラティは乗り手に不思議な緊張感を与えながら楽しませてくれる部分が好きなのです。さすがにいつ調子が悪くなるかという緊張感はなくなりました。弱点は理解しているし、乗ったクルマは全て自分も状態を把握しているクルマ達だし、なにより扱い方をマスターしていることが安心感を持たせてくれていたのです。

緊張するのは時折見せる牙の鋭さを知っているからです。

ひとたび暴れ出したらどこかに飛んで行ってしまうようなバランス、これが緊張感の元なのです。今時オーナーに噛みついてくるクルマは少なくなってしまった気がします。各メーカーは牙を抜く事で多くのユーザーに安心を与えて拡販に結びつけていく訳ですから。

一日にマセラティを5台も乗り継ぐと疲れてしまうのはそんな訳があったのです。

■ ギブリが欲しい

ギブリが欲しくなりました。今までに全てのモデルを乗りました。ギブリに限らず、マセラティという括りにしてもかなり乗り比べてみました。3200GTもAT、6F両方とも乗ってみました。クアトロポルテも全て乗ってみました。

そしてギブリが欲しいのです。

今の環境では自分にギブリが回って来る事はありえません。何故なら自分が欲しい、買っても良いと思えるクルマがあるなら、まだ乗っていないこれからの方にそのシートは譲る事になるからです。

良い個体に巡り合った時に探している方の顔が浮かばなくなったり、乗ってもらいたい方の顔が浮かばなくなった時に再びギブリに乗ろうと思います。

ギブリをさりげなく乗りこなす事、なかなかできませんがマセラティと肩を組んで歩けるようになれば自然に乗りこなせるのでは? 私の周りには最近、マセラティと肩を組んで歩いている方が増えてきています。自分なりの付き合い方を見つけて楽しめれば気負いは自然に消えていくでしょう。

【追 伸】

マセラティ交際術

マセラティと肩を組んで付き合えれば楽しめると言いましたがそれはどのような事なのか? Eワヤマがマセラティ家のお嬢様方と付き合う時に心した事をお伝えします。

マセラティは壊れるとか修理が大変だと言う噂をどこまで許せるかとどこまで付き合えるかを決める事から始まります。

壊れてもここまでだと把握する事でクルマに乗る上での最大のネックが解消されます。また、壊れた場合に駆け込める修理工場が確保できれば更に安心できると思います。クルマを取り巻く不安要素に対して予防接種を打っておく訳です。

ここからは「いつ壊れるのか」なんて言う心配をするよりも「いかに楽しく乗りこなすか」を考えながらクルマと付き合うことで肩が組める様になれるのです。

クルマと肩を組んで付き合うという事はオーナーがクルマを信頼してあげる事から始まるのです。

クルマなんてどこかが壊れて当たり前、壊れるとどうなるか、自分で対処できるのはどこまでか、自分はクルマを救ってやれるか? そして自分はそれを受け止めてあげられるだろうか?

マセラティに限らずクルマと楽しく付き合うための基本的な愛情を大切にしたいです。