マセラティのエンゲル係数
みなさん、車に乗っていながら、日々燃費について考えていますか? 正直、元アメ車乗りの私hattは、あまり考えていませんでした、というより考えないようにしていました。アメ車は大排気量で車重は重いという燃費が良くなる要素はまるっきりない車ですので、考えてもはじまらないというのが正解かもしれません。また、アメ車乗りの美学として「燃費?なにそれ、そんな言葉聞いたことないな」という態度をとるべきであったのです。
少なくとも、hattはそう考えていました。と、ここまでお金に余裕があるようなことをいってきましたが、美学はあくまで美学であり、福沢諭吉のいない財布に直面すると、やはり気になるのが燃費。そうです、関係ないと言い聞かせつつも、けっこう燃費に関して心の奥、いや懐の奥で気にしていたhattでした。ということで、今回は、マセラティの燃費のお話です。
先にも触れましたが、私が今までに乗ってきたアメ車たちは、ほとんど3リッター以上(最大は5.3リッター)であり、正直あまり燃費は良くありませんでした。あまりというのは、排気量から考えれば、けっこう妥当な数値だったと思うし、ほとんどの車が、レギュラーガソリンを使用していたため、金銭的には逆に燃費が良いと思わされることもしばしばあったからです。たとえば、4リッター以上ある96年式シボレーブレイザーはさすがに4km/lほどしか走らなかったのですが、93年式のカマロや94年式のビュイックリーガルなどは、約5〜6km/l(市街地)で走りました。(ちなみに、5.3リッターあったのは69年式のコルベットでオドメーター不動のため計測不能でしたが、たぶん2〜3km/lぐらいだと思います。)
では、今回レポート中のマセラティの燃費はどうでしょうか?排気量的には、今まで乗り継いだ車に比べれば小さい方ですが、ツインターボという今までの車にはない代物がついているので、個人的には4km/lぐらいかなと思っていました。燃費の計測結果は、最初はターボがかかったときの急加速とヒュイーンという独特の音を聞くのが楽しくて、かなり乱暴?なアクセルワークをしていたためか、私の期待を見事に裏切る2.5km/lという数値をたたき出したのでした。さすがスーパーカーだけのことはあるなんて呑気なことは言っていられません。なぜなら、庶民の私にとっては死活問題なのですから・・・。そこで生活の知恵というか常識というか、ない知恵しぼって考え出したエコランを決行することになりました。
まず第一に、極力ターボをかけないように右足にいいきかせて運転する方法です。このような運転をした結果として、約4km/lという数値を得られたのと引き換えに、マセラティを運転する楽しさの多くを失い、人間にも車にも多くのストレスを残すことになりました。精神的にはイライラするし、車はカブリ気味になり黒煙をはく環境に厳しい状況に追い込まれたのです。 これでは燃費が良くなってもマセラティに乗る意味がありません。そこで考え出した次の方法は、ターボをきかせ一気に加速して、あとはその惰性で走る方法です。このときの燃費は、約4km/lと上記の方法とほとんど同じでした。まあエコランをするなら、この方法のほうがマシかなという感じです。
結局のところ、マセラティのエンゲル係数はけっこう高いが、そんなことを気にしていたらマセラティの良さをかなりスポイルされてしまいます。ですから、マセラティに乗るならあまり燃費のことは気にせず、気持よい部分(たとえば加速、内装のゴージャスさなど)に目を向け運転することをお勧めします。これはマセラティに限ったことではなく、車全般に言えることだと思います。つまり、人間に得手・不得手があるのと同様に、車にもそれは存在し、苦手な部分を小さくするより得意な部分をより大きくするほうが簡単であり、結果として良い結果がでることが多いと思います。
次回は、マセラティが得意であろうと私が思っている高速道路に車を持ち込んでレポートしますのでお楽しみに。(しつこいようですが燃費を測定します)