222Eとの旅


前回のレポートの最後で約束した通り、今回はマセラティを高速道路に持ち込んでのインプレッションです。

私が選んだ場所は、名古屋〜神戸間の往復で約500kmの日帰り旅行です。行き先として神戸を選んだのには、理由は特にはありませんが、なんとなく西の方向に行ってみたくなったので、名古屋ICで名神高速道路を選んだだけのことです。

入院前の222Eで無謀なことをすると思っている方もいることでしょう。しかも、人間で言えば、年齢110歳(車の1歳は人間の10歳に匹敵すると言っていた人の言葉より引用)です。しかし、車なんて乗らなければ意味がないと思うし、万が一動かなくなったとしても、JAFで移動させればいいし、それは近くでも遠くでもあまり関係なく、また誰でも多少は困ることは間違いないし、そして何とかなるのもまた間違いではないのですから・・・。実は、私は、何度か車が止まってしまった経験があます。初めて動かなくなったのは、なんと今回利用する名神高速道路で、しかも行き先は神戸でした。そのときは、父に借りた国産セダンだったのですが、栗東IC付近でタイミングベルトが突然切れて万事休すでした。その後、JAFに高速道路から降ろしてもらって、神戸まで公共交通機関を駆使して、辿り着いたことを10年経った今でも良く覚えています。つまり、今回の旅は、10年前のリベンジとでもいうべきもので、「越すに越せない大井川」ではなく「越すに越せない栗東IC」といった感じです。そんなそんなことを思いながら、名古屋IC付近のガソリンスタンドでハイオク満タンにして、トリップメーターをリセットして名古屋ICに吸い込まれていったのでした。

まず、高速道路合流で、例の「ヒュイーン」を聴きながら、そしてシートに全身を押し付けられるような感覚を感じながら加速していくと、難なく合流することができ、とりあえず走行車線をしばらく走行。その段階でまず気づいたことは、ハンドルに伝わってくる振動が極めて少ないということです。市街地走行をしているときには、アイドリング+αでの走行する場面が当然多く、そのときはかなり、ハンドルがビビるのですが、高速道路で約100km/hほどでの走行では振動がほとんど伝わってこないのです。いままで乗ってきた多くのアメ車たちはFF車もあり、トラックのような車ありということで、ハンドルに振動が伝わるのは、ほぼ速度に比例する(低速時のほうが振動が少なく、高速時のほうが振動が多い)と思っていた私には少々驚きでした。(もっとも、10年前の車がこれほど安定するのかということのほうが驚きましたが・・・。)

さて、10分ほど走行車線を走行していると、右足の自制心がいよいよ失われ、知らず知らずのうちに右ウインカーに手がかかり、、追越車線へと導かれていきました。追越車線へ飛び出したhattは、100km/hからの加速でも例の「ヒュイーン」を聞けるものかを試すべく、アクセルペダルを踏み込みました。すると、3000回転弱回っているエンジンの音とロードノイズによって多少聞き取りにくくはなっていますが、確かに私が好きなあの音は健在でした。加速のほうは、市街地で「ヒュイーン」が出るときより若干鈍いような気がしましたが、それは100km/hという速い速度がさらに速くなるのと、ほとんど0km/hから一気に50km/hになるときの体感的な問題か、「ヒュイーン」が聞き取りにくいための聴覚の問題であり、実際の加速は市街地での加速に引けをとらないものであったようです。なぜなら、シートが全身を押し付けるような感触は健在で、なにより、そんなことを考えているうちに、スピードメーターは180km/h近くまで回ってしまっていたから・・・。

そんな感じで一路神戸へ向かう我222Eとhattは、あっという間に栗東ICを通過し神戸に辿り着いたのでした。所要時間は、2時間ちょっとといたところでしょうか。神戸の街の中では、名古屋と何ら変わることなく(わずか車で2時間ちょっとのところですから、変わるわけないです)走行を続けたhattでしたが、中華街で食事を済ますと、なぜか明るいうちに帰路についたほうが良い(まるで小学生のよう)と思い、まるで逃げるように、厳密に言うと背後から襲いかかってくる何か(たぶん調子が良すぎることからくる不安?)から逃げるように、名古屋へ向かうことにしました。人間とは不思議なもので、そう思ったとたん、エンジンが止まるんじゃないかとか、そう言えばアイドリングがばらつくような気がする、なんて思えだすものです。私も、エンジンのかかりが悪くなったような気がするし、そう言えば、一回も給油をしていないが大丈夫なんだろうかなんて思えだしたので、慌てて給油をして、その後、名古屋までエンジンを止めることなく、帰ってきた次第です。(もちろん何の問題もありませんでした。)

名古屋に着くと、燃費測定のため、ガソリンを満タンにして、今回の旅は幕を閉じたのでした。ちなみに燃費は以下の通りです。

走行距離550km
燃料使用量75リッター
燃費7.3km/l