SHOT 105 - 2005/10/29

ギブリのドアハンドルは強く引いたら壊れそう。手ごたえを確かめながら「カチャっ」。ドアを開き、黒の本革シートにちょこんと腰かけてドアを強めに引いて閉じると、そこはもう自分だけの空間。このウッドステアリングの滑らかさが好き。トラブルが多いと言われるけれど、こういった質感は何物にも代えがたい。

右手にもったキーを差し込み、一段捻ってインジケータが点灯するのを眺め、ひと呼吸おいてからスターターを回します。シュルシュルシュルっと軽めの助走の後、2.8リッターV6ツインターボエンジンが走り始めます。まだ身体はここにあるけれど、心臓が脈を打ち始めました。当たり前のようで、ほっとする瞬間です。

名古屋ICから東名高速に乗って静岡方面へ。あいにくの雨模様なのでブースト計の針が跳ねないように、ギブリを刺激しないように手綱を引き締めます。それでも徐々に加速していくと、流れをリードするに十分なスピードで巡航できます。

ボタンの押し方から、トランクリッドの閉じ方まで気をつかうクルマですが、ギブリと上手に付き合っている人は素敵だと思います。