SHOT 137 - 2006/01/12

ITOメカニックの911ナローです。

初めて見せてもらったので乗せてもらうことにしました。1972年式ということは34年前のクルマ。ロールゲージにバケットシート、4点ベルト、Sタイヤと、明らかにサーキット仕様。かなりイジってあるようです。

ルッソからグースネック名古屋まで助手席試乗。助手席も4点ベルトで、ジャンパーを着たまま乗ったらベルトがきつくて「シートをうしろに下げれば緩くなりますよ」って上半身が固定されてて手が届かん。あ、足でできた。(笑)

途中、踏んでくれたのですが速くてびっくり。軽いんですね。ただスピードに比例した音と振動が襲ってきます。

ショールームに着いて、じっくり観察してみました。

ダッシュボードの下から運転席に向いているダクトは「外気導入パイプ」だそうです。「これがないと夏、暑くて死にそうになるんです」。内張りも剥がしてあるし、たしかに暑そうだなー。「夏でもオーバーヒートしないの?」「ええ、大丈夫です! 渋滞はちょっとつらいけど(ボソっ)」。

アクセルペダルはアルミのプレートで高くしてあるので、これなら(ヒール&トウというよりもわたしなら)トウ&トウができます。窓は電動なのですが、内側からドアを開けるにはヒモを引っ張らなければなりません。

おぉ、キャブレターだ! キャブ車って好きだったりします。だってそのほうが「機械」らしいじゃないですか。

水冷ポルシェを見慣れているもので、エンジンルームがガランと空いてて驚きました。これなら整備しやすいでしょう。中央奥にちいさく白いメーターが見えているのは燃圧計だとか。

エンジンだってミッションだって自分で下ろしてオーバーホールしてしまうわけですから、部品さえ手に入れば怖いものはないでしょう。ある意味でうらやましい。走行距離や燃費がどうだとか、どこまでがノーマルだとか、そんなことは超越していて、自分が納得できればそれでいいという割り切りがあります。いかにもメカニックのクルマという感じ。

ショールームの中には996と987が並んでいます。やはりナローはコンパクトです。

このあとわたしが運転させてもらいましたが、ちょっとシフトが入りづらいことがあるくらいで運転に小難しさはありませんでした。ただ右に左に細かくハンドルを取られるので、乗用車みたいに片手ハンドルというわけにはいきません。また路面が荒れていると突き上げてくるので舌を噛みそうになります。これはまるでCUP CARです。街乗りは疲れますが、たしかにサーキットでは面白そう。尖ったクルマにはそれぞれ棲息場所があります。久しぶりに硬派なクルマに乗せてもらいました。ごちそうさまでした、満腹です。(笑)

ちなみに、ITOは昨年、下取車のALFA155Q4を買いました。自分で部品を買って直してます。平井堅の「歌バカ」ならぬ「車バカ」です。

911ナローの次に乗ったのがインフィニティ QX56。でっかい四駆です。

長さは5.25m、幅と高さが2mずつ、室内は3列シート。気分はトラックの運転手。カイエンに乗ったときもそうだけど「似合いますね」だって。セダンから四駆に転向してみようかなー。

実際の道路を走るとカイエンやレンジ・ローバーよりも大きいことを実感します。視点が高いのです。シートやステアリングも電動で位置を合わせることができるし、アームレストもちょうどいい。大排気量でトルクもたっぷりあるから極めて安楽に移動できます。

911ナローからQX56という、この落差! どっちが上とか下とかじゃない「キャラクターの違い」。こういうのが面白いのです。

クルマ好きにはすごく楽しい職場だと思います。(スタッフ募集中!)