このベルデツンドラのクアトロポルテV8は走行20,000km。走行距離は少なめですが、8年経つためベルト類の交換は必須です。 | |
マセラティがフェラーリ傘下に入る前のクアトロポルテの内装は華やかで、根強いファンがいらっしゃいます。 | |
タイミングベルト、ウォーターポンプ交換等の納車整備を行うためにルッソに入庫しました。 この車両は関東地方に納めさせていただくということもあって、過去の経験を生かして、きちっと仕上げたいのです。 | |
ツインターボ・3.2リッターV8エンジンです。真っ赤なインテークとカムカバーが美しい。 | |
交換用パーツ。 左端がタイミングベルト、その下がアイドラーベアリング2個、中央がウォーターポンプ、右端がウォーターポンプガスケットです。他にスパークプラグも交換します。 | |
右前から見上げたところ。 コンプレッサーベルトが見えていますが、そのすぐ前にラジエターと電動ファンがあります。 | |
左リアのドライブシャフトブーツからグリスが飛んでいて、亀裂が入りそうなのでブーツを交換することにしました。 | |
作業開始前にフェンダーに保護フイルムを貼ります。 | |
冷却水を抜いています。 | |
手前のホース類を外していきます。 | |
作業を容易にするためにラジエターと電動ファンを外しました。 | |
古いタイミングベルトが見えました。 | |
タイミングベルトが1cm以上振れるくらい緩い状態でした。 あとでクランクプーリーを回していくと、そこそこ張る場所もありましたが、それにしても張り方が緩いです。 | |
タイミングベルトの新(右)と旧(左)。 | |
ベアリングも交換します。 | |
ウォーターポンプを外した瞬間、緑色の冷却水が溢れました。 | |
新しいウォーターポンプの圧着面にシール剤を塗ってからガスケットを載せました。 | |
ウォーターポンプの取り付け中。 いま持っているボルトだけは水の通り道を貫通するため、水が漏れないようにワッシャ(ガスケット)を噛ませます。 | |
新しいタイミングベルトを張っているところです。 向かって左側のテンショナーベアリングの油圧ダンパーの初期位置で張りが決まります。 | |
タイミングベルトカバーが閉まりました。 補機ベルトは交換してあるようなので換える必要はありませんでした。オルタネーターとコンプレッサープーリーを対策品に交換した際、ベルトも換えたのだろうと考えられます。 | |
古いプラグです。 焼け具合は問題なさそうです。 | |
以前、他のクアトロポルテV8でスターターモーターが接触不良を起こしたことがあるため、インテークを外して、その下にあるスターターの端子をチェックしておきます。インテーク下の一部のバンドは換えてあったので一度水漏れ修理を行ったようです。 ホース類のチェック、バンドの増し締め、清掃を行ってインテークを戻します。 | |
8本足のカメのようなインテーク。 | |
きれいに元に戻ったエンジンルーム。 シャワーを浴びてすっきりしたように見えます。あ、シャワーというのはあくまで比喩です。国産車のようにエンジンルームを水洗いしてはいけません。 | |
青空駐車だったのか、リアトレイの革が縮んでめくれてきています。 縮んだ革を伸ばすことはできないので体裁よくクアトロポルテの雰囲気を崩さないように張り替えます。 | |
リアシートを外して、リアトレイを外したところ。 | |
ここまでしないと外れないハイマウントストップランプのバルブ4個も念のため交換しておきます。 | |
ヘッドライトユニットを左右とも取り外し、ガラスの曇りを磨いて、シールしてひと晩おきました。 | |
お客様のご要望でキーレス(TooFit)を取り付けました。黄矢印が本体(受信機)です。20mくらい離れてもリモコンに反応します。 | |
リアトレイを新たに張り替えました。 厳密にはオリジナルとは異なりますが、見た目の印象は新品同様です。 | |
リアトレイの裏面です。 革がめくれていたサンシェードの縁は、そもそも裏側に巻き込みがなかったのですが、今回わざわざ縫い足して裏まで回してあるので、万一また縮むことがあってもめくれてくることはありません。 | |
完成しました。 マセラティは相応の扱いを求めるのでなにかと面倒ですが、正しく扱ってやればそれほど壊れるわけではありません。そのことをこのクアトロポルテが実証してくれるものと期待しています。 |