1999 ALFA ROMEO SPIDER 3.0 V6 納車整備レポート (2006/03)

エンジンオイル、ブレーキオイル、LLCといった油脂類、プラグ、エアフィルター、ワイパーブレードといった基本納車整備に加えて、3万kmになるのでタイミングベルトとテンショナーベアリング、ウォーターポンプ一式交換、タペット調整(交換)等を行います。
3リッターV6 SOHCユニットのインテークを外します。
エンジン右側のタイミングベルトカバーを開きました。
両バンクのタペットカバーを開いたところ、オイル管理が悪かったらしく汚れています。でもまだ大丈夫。そのためのリセット整備です。

オイル管理はオーナーが心がけるべきメンテナンスの基本でありエンジンの健康にとって大切なことです。アルファロメオはもちろん、数万km交換不要と謳っているポルシェでも汚れたオイルでは本領を発揮できませんしエンジンも傷みます。わたしがオーナーだったら1万kmオイル無交換で走らせる勇気はありません。

エグゾースト側タペットのクローズアップ。

表面が凸凹に荒れています。これではエンジンからカシャカシャとタペット音が出てしまいます。

右フロントのタイヤハウスからエンジンを見上げたところ。

いちばん下(手前)に飛び出しているシャフトがクランクシャフトで、ここにベルトをかけて回しています。

タイミングベルトの新(下)と旧(上)。

経年劣化も進んでおり、交換時期だったようです。ベルトよりもテンショナーベアリングのほうが心配だったりしますから、かならず同時に交換します。

ベルトを外さないと交換できないウォーターポンプも換えます。上が新品です。
エグゾースト側タペットは6個中3個の表面がひどく荒れていました。6個とも気持ちよく交換しましょう。写真右半分が新品です。うち2個をわざと逆さに置いてみました。

バルブクリアランスも調整しました。

新車時からついていたロッジ製プラグ。

電極の形が変わっています。

パワステラックブーツが破れていたので新品に交換します。
燃料ホースも一部交換し、必要なホースバンドも交換しておきました。細かいパーツでも重要な部品はトラブルを防ぐために交換します。

「納車整備レポート」では部品交換がメインになりがちですが、ほんとうは実際に作業させていただくメカニックが(お客様に安心して気持ちよく乗っていただくために)どれだけの思いを込めたかをお伝えしたいのです。しかしメカニックは言葉よりも仕事で自分を表現します。クルマを通して新しいオーナーに伝わればそれで良いのかもしれません。

お客様のご要望により、最後に幌を黒に張り替えました。

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