1997 ALFA ROMEO 155TS 16V 納車整備レポート (2005/6)

弊社取り扱い車種の中でもメンテナンスに自信のあるモデルとして、ショールーム(グースネック名古屋)で展示していた155TS 16Vです。

1997年式、走行300kmという個体ですが、長い間、ガレージ保管されており、年数が経っているためタイミングベルト一式、油脂類、水、ホース・バンド類、タイヤ交換を含めたリセット作業を行います。
エンジン右側(手前)にみえる黒いカバーの下にタイミングベルトがあります。これからメインとなるタイミングベルト交換がスタートします。

距離は走っていませんが、5年以上経過すると交換すべきです。お客様に今後の使用状況をうかがったところ、年間走行距離が6千kmとのこと。いま換えておけば5年はベルト交換が不要となります。

右フロントタイヤを外し、その奥のカバーも外すとクランクシャフトプーリー(黄矢印)が見えます。

このプーリーにドライブベルト(補機ベルト)がかかっています。

カムカバーが開いてカムシャフトが2本現れました。

2個のカムシャフトプーリーにタイミングベルトがかかっています。

幅広のタイミングベルトの左下にやや細いベルトが見えますが、それがバランスシャフトを回すバランスベルトです。ドライブベルトはすでに外されています。

交換用パーツ。

左上からバランスベルト、その下がタイミングベルト、その右がカムカバーガスケット、その上がイリジウムプラグ8本、その右がタイミングベルトテンショナー、その上がバランスベルトテンショナーです。

1番シリンダーにゲージを挿して、手動でクランクシャフトを回していき、上死点に合わせます。ゲージの針が右に回っていき、左に戻り始める点が上死点です。

そうしたら2本のカムシャフトをそれぞれ専用工具(黄矢印)で固定します。

外したタイミングベルト(左)とドライブベルト(右)。

見た目ではわかりませんが、経年変化による劣化があるため交換します。

古いタイミングベルトテンショナー(左)と新品(右)です。

タイミングベルトよりもテンショナーが悪くなってコマ飛びの原因となることが多いので、ある意味ではベルトよりも重要な部品です。日本車に比べてイタリア車、特にアルファロメオはベルトの張りが強いため消耗するのです。

タイミングベルトテンショナーを取り付けているところ。
カムシャフトプーリーを締め付けているところです。
タイミングベルト交換完了。

このあと、油脂類、水、ホースを交換し、車検のための点検整備に進みます。

最後にタイヤを交換して完成です。

ツインスパークを思い切って回して楽しめるように整備を行いましたが、ベルト交換後、約1,000kmは控えめな運転をお願いいたします。

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