ALFA ROMEO SZ

ストックリストでお買い上げいただいた関東地方のお客様に納めるSZの納車整備です。

タイミングベルト、ドライブベルト交換、タイミングベルトテンショナーOH、フロントハブベアリングOH、燃料フィルタ交換、プラグ交換を行ないます。

隣のリフトではF355の整備をしています。

前から見上げたところ。
うしろから見上げたところ。
アルファ75とおなじトランスアクスル方式なので、クラッチとミッションが一体になっています。ブレーキローターがホイール側ではなく、ミッション側にあるので変な感じがします。たしかにこういう構造だと、ローターの先のドライブシャフトブーツが破れることもあるでしょう。また、トランスミッションにオイルクーラーが付いてます。
燃料フィルターを交換しました。銀色の缶みたいに見えるのがそれです。ホースやバンドも交換し、燃料が絶対に漏れないように慎重に締めます。
フロントのハブベアリングをOHします。これはスパイダー・ベローチェでも行なった作業です。
ローターの中心にはまっていたベアリングはグリスまみれ。灯油に浸してからグリスをきれいに落とします。
そうして再度グリスアップして組み付けます。
タイミングベルトはエンジン前面の黒い樹脂カバーの中にあります。そのベルトを交換するためにはいろいろ外していかなければなりません。
外したパーツ。ラジエター、電動ファン、エアクリーナー等。
カムカバーが開いて、タイミングベルトが外されました。

エンジン上部に2個のカムプーリーが見えています。そのプーリーでカムシャフトを回し、バルブを開閉します。この車両は吹け上がりがいまひとつだったので、バルブタイミングとバルブクリアランスの再調整も行いました。

この3リッターV6エンジンはSOHCなので各バンクにカムシャフトは1本ずつです。インテーク側はカムで、エグゾースト側はロッドを介して開閉しています。ふだんDOHCを見ることが多いのでSOHCが新鮮に映ります。

子供の頃、トヨタ車などの宣伝で散々「DOHC16バルブ」と聞かされてきたので、SOHCよりもDOCHのほうが上等な気がしますが、アルファのエンジンに関してはSOHCのほうが良く回ったりします。エンジンの良し悪しはカムシャフトの本数だけでは決まりません。

エンジンの左側にオルタネーターとパワステポンプがあります。
タイミングベルトの油圧テンショナーをOHしているところ。オイルが漏れないように小さなリングやブッシュを交換します。写真にあるようにバネを内蔵していて、手で押さえようとするとかなり固いです。それをエンジンオイルの油圧が補助してテンショナーを押す仕組みになっています。
仮組みするとこんな感じ。
新しいタイミングベルトを張りました。油圧テンショナーは黄矢印のところにあります。
クローズアップです。
タイミングベルト、ドライブベルトを交換し、カムカバーも閉じました。
右バンクの前端にあるのがデスビ(ディストリビューター)です。

タイミングベルト調整のときにクランクシャフトを手で回転させると、デスビのオレンジ色の部分もいっしょに回るので面白かった。これでプラグの着火タイミングをとっているわけですね。機械式のほうがわかりやすいです。

ヒーターワイヤーを交換しました。
最後に、夏に向けてエアコンのガスをチャージ中です。
納車整備完了しました。


先日、納車前にルッソまでおいでになり、実車をごらんいただきました。実車をごらんにならずに購入を決められたのは「ホームページをちゃんと更新しているから」というのも理由のひとつだったとか。信頼していただけてうれしいです。