手前のALFA75TSは「エアコンを使うと室内に水が出てくる」ということでエアコンユニットを外して修理（レポート予定）、奥のMASERATI SHAMALはデフ交換です。

シャマルのV8エンジンは吹け上がり、サウンドともにすばらしい。気分はまるでレーシングカー。エアコンもよく効きます。ただしクラッチはやや重め。強烈なターボなので調子にのって踏むとどっち向くかわかりません。そんな激しさも魅力（魔力）のひとつ。しかし、スーパーダッシュはデフに大きな負荷を与えます。調子に乗ると大きな出費も加算します。

この1ヶ月ほど、BMW520のハンドルを握りながら、いろいろ考えてみたのですが「5シリーズに2リッターのエンジンではパワー不足」というのが結論です。地球上を走る限りにおいて重力には逆らえません。ALFA164 SUPER 24Vも同格でしたが3リッターV6エンジンでしたからバランスはよかった。2リッターだからといって燃費が良いわけではないのだから530あたりを選びたい。

それじゃ 520はダメなのかというとそうではなくて、急な動作（急加速、急停止、急転回）ができないだけで、転がり始めて30km/hくらいに達すれば、そこからの加速はスムーズです。50km/hくらいで流しながら、時折アクセルを入れて走るのが快い。ちょっと深く踏み込めばキックダウンして4,000rpmも回せば520とは思えない力強い加速も楽しめます。実際、信号が少ないほどシアワセになれます。

BMWでいえば「基本は3シリーズ」なのだと思います。520よりも320のほうがバランスがいいはず。軽さは武器です。E46でいえば318だってよく走るので高速道路でも不満は感じません。ただ、それでもわたしはこのクラスのサイズが好きです。ひとりで乗るにはもったいないけれど4人でシェアするにはちょうどいい。5シリーズもE39になるとベルトラインが高くなり、サイドウィンドウの下端が上がっています。よくいえば包まれ感が増し、悪くいえば窮屈。E34のほうが開放的です。

踏めば回るし、回せば意外にパワフルな直6エンジンと、もうひとつ気に入っているのがハンドリング。大振りなステアリングを切っていくときのヌルっとしたゴムの肌触りが快感。タイヤを YOKOHAMA dB EURO に替えてからだから、重量級セダンはタイヤで変わるのかもしれません。「ふだんは自分の足、休日はファミリーカー」として評価した場合、BMW520(E34) は「非力だけど安心感があって実用的」。家族からみれば多少古くても立派なBMWです。（笑）

運転席の窓が時々ひっかかって下がらなくなるのは、ガラスが噛み込んでしまうのが原因。調整して直してもらうこともできるけれど、モーターの辺りをドンっと叩けば動くのでよいでしょう。エンジン冷間時、1速から2速へのシフトショックはATをSNOWモードにすれば回避できるのですが、モード切替SWが（缶コーヒーをこぼしたらしく）動きが渋い。夏はよいのですが冬は動かないと思います。でもどうしても直したければ部品を交換すればいいだけ。コンプレッサーの異音は実害がないので気にしないことにしました。割り切ってしまえば余計な心配はしなくて済みます。

ALFA155や164といったイタリア車と比べると（以前乗っていたVW VENTOも含めて）ドイツ車は平和だというのが実感です。値段次第ではおもしろい選択肢になるでしょう。セカンドカーをお探しならお勧めです。520はクルマとしては重いけれど、トラブルの心配が少ないから気分は軽い。非力だという「クセ」があるから乗り方を考える愉しみもありました。現在6万km弱。あと2年近く車検があるのでのんびり付き合います。

屋内でみると大きく見えますが、屋外でみればコンパクト。ALFA147と比べて全長が30cmほど長く、幅は約3cm広く、全高が8cmほど低くなっています。ちょっと洒落たパーソナルクーペです。このモデルは2.0JTSを積んだセレスピード。シフトアップも速くなっていて良い感じ。

「ガレージレポート」の原稿をメカニックさんに見てもらって修正があるときは、ノートPCをカウンターに持っていって、その場で手直しして即Webサイトにアップロード、一発更新。