ALFA ROMEO 147 selespeed

156のセレスピードに続いて,真新しい147セレスピードにもちょっと試乗させてもらったので2車のちがいについて書いてみようと思います.

147の運転席に座ると156とずいぶん景色がちがいます.メーターパネルは赤くて,ギア表示も中央にあって見やすくなっています.ステアリング部のギアシフトはボタンからハンドル裏のパドルに変わっています.ハンドルを握る手でパドルを引くわけでボタンよりは大きくて操作しやすそうです.

夜だったのでライトスイッチを探して,ハンドルの左側をみるとレバーが2本出ています.「なんだ,これ?」.短いのはオートクルーズだとか.そんなものまでついてるの? それじゃもうひとつがウィンカーレバーだよね.だったらスティック部分を回転させればライトが点灯するはずなのに「回らないぞ」.レバーをよくよく見ると先端ではなく途中が回転するようになっています.なるほど,右側のレバーはワイパーね.

ハンドルに小さなボタンがついているから何かと思ったら「それはカーステレオの音量調整です」.なんと,BMWみたいじゃないですか.それから,センターコンソールの四角フタはなんだろうと押したらカップホルダーが出てきました.147はイタリア車というよりヨーロッパ車なのだということを実感しました.

セレスピードのシフトレバー(ジョイスティックと呼ぶらしい)は156とおなじなのですが,こちらは左ハンドルなのでNは向こう側に倒さねばなりません.そう,この147は並行輸入車です.日本では右ハンドルのほうが向いているのでしょうけれど,どちらかというと,わたしは左のほうがいいな.なぜって? 他の人とちがうのがいい.それだけです.(笑)

さて,となりにEワヤマさんを乗せて出発.問題のシフトアップですが,156よりは明らかにスムーズで速い.モタモタした感じはほとんどありません.アクセルを踏んだままシフトアップしても,前につんのめる感じは少なくなっています.アクセルを踏んだときのエンジンフィールにしても,全体にスムーズで洗練されています.これならセレスピードもいいです.

156でどうしても許せなかった空走感も147では改善されています.ギアを2速落とせばちゃんとエンジンブレーキがかかります.機械任せではなく,自分から積極的にドライブする気持ちで臨んでも楽しめそうなクルマです.

たしかにセレスピードは進化しています.これならドライブフィールにこだわる人でも,MTだけでなく,セレスピードも選択肢に加えることができるでしょう.147のセレスピードを知ってしまうと,156のそれはプロトタイプだったとしか思えません.(オーナーのみなさん,失礼なことを言ってごめんなさい)

じつは156をルッソに返すときに名古屋市の東山を抜けてみたのです.2速と3速で踏むとこれがおもしろい.ふだん164に乗っているから比較的コンパクトなクルマに乗ると身軽なのがうれしい.だから,156はセレスピードという仕組みにあまりこだわらずに楽しむのがいいのではないでしょうか.あとはクルマに合わせて上手に運転してあげればいい.

147で走行中にピンポンと音が鳴ってメーターパネルに雪マークが表示されました.「それは気温が下がっているせいでしょう」.真偽のほどは確かめていませんが,シフトモードが自動的に切り替わるのだとしたら驚きです.しかし,イタリア製の電子制御に一抹の不安を感じるのはわたしだけでしょうか?(苦笑)

目に見えない部分はさておき,ドアを閉めたときのバタムという音もしっかりしているし,インテリアの質感も高く,装備も充実していて,走りもスムーズ.147は高級ハッチバックです.

帰路,ガソリンスタンドに寄って給油,ではなく,ルッソで使う灯油を買いました.そう,わたしたちは「灯油を買ってくる」というのを口実にして147で出てきたのでした.(笑)