SHOT 093 - 2005/10/14

3日連続でフェラーリに乗る機会に恵まれました。

1日目が360モデナ。大柄なボディの車幅とロードクリアランスに神経を使いますが、運転そのものは思ったより素直です。市街地走行は疲れますが、ハイウェイでは水を得た魚のよう。「こうでなくっちゃ!」というくらい速いです。1km先のクルマがあっという間に目の前に来るカンジは、まるで道路を巻き取っているみたい。名古屋高速のカーブでも、いつもより速いペースで安定して走ることができて「これもモデナのおかげ」と感謝。

2日目はF355。モデナよりもシートが薄いというか低いので、よりスポーツカーらしい気分になれます。速いかどうかという点では、わたしには十分過ぎるくらいです。ルッソのメカニックの試運転に同乗して首がもげそうになったことがありますが、わたしはそんなに踏めません。彼はクルマの状態を確かめる必要があって回しているのですが、わたしはできるだけクルマに負担をかけないように運転することを心がけています。

その日は行きがF355で、帰りがミニカの4速マニュアル。かなり年季が入ってまして、シフトレバーがぐらぐらしててポジションがよくわかりません。F355とちがって非力なので、上手にシフトアップしていかないとクルマの流れに乗れません。エンジンのパワーを如何に無駄なくタイヤに伝えるか。自動車の運転の原点を見た思いです。たまにはこういうクルマも楽しい。

3日目が328GTBでした。これは愛車BMW735iと同年代。高速道路を流しながら、自分のまわりだけ80年代にタイムスリップしていました。360や355よりもコンパクトなボディとタイトな運転席。735もそうですが、エンジンが静かに、効率よく、でしゃばらないように躾けられる以前の時代の乗り物だという気がします。やみくもにスピードを出すのではなく、自分が心地よいと感じるペースで走ることに悦びを見出せるクルマ。流麗なスタイルも魅力です。

どんなクルマでも移動はできますが、その時間を充実したものにするには好みに合ったクルマを選ぶ必要があります。フェラーリに愉しみがあるのと同様に軽自動車にも愉しみはあります。そんな愉しみを共有できる方々との出会いが、わたしたちの愉しみです。