ALFA ROMEO 164 REPORT No.7
室内の消臭のために「カーノンスメル」なるものを買ってきました.芳香剤は嫌いなので無臭のものを探したらそうなったのです.他にスプレータイプのエアコン脱臭剤もあったのですが,吹出口から風が出ない状態では使えないのが哀しい.

■ 155の場合

もう1台の愛車である 155TS 8V(以下TS)は 156 が出るまえから旧モデルになっていましたが,レポート車の 164L よりも設計が新しいことを感じます.よく言えば「まとも」,悪く言えば「ふつう」になりました.

164で帰宅して155に乗り換えて出かけたときのこと.

いつものように運転席に乗り込むと狭いというより包まれ感があります.シート形状のせいもあるのでしょうが座席にはまり込むような感じ.ブレーキとクラッチを踏んでセルを回すとブォンっとエンジンがかかり,これまたエンジン音と低い排気音に包まれるのです.

サイドブレーキを解除して1速にシフトしクラッチをミートすると動きはじめます.「やっぱりトルクが細いなぁ」と思いつつ「回せばいいや」と「TSフィーバー」に興じるのでありました.

おなじ3リッターV6エンジンでも164QVやSZは運転していて気持ちよかった.

それにはTSほどではないにしろ,エンジン音が響いていたことも一役買っています.自分の操作がクルマの挙動や音になって返ってくるのが楽しい.それが164Lでは押え込まれているのです.ATだということもあるのでしょうが,パワーよりもトルク重視で吹け上がりも鈍い.回せば回るし,それも不快なものではないけれど速度計と回転計の針が同時に上がっていくのって不思議.これ以上 FUN to DRIVE を追求するとわたしはATには我慢できません.

TSでは運転席の窓を開ければ排気音や吸気音が聞こえてきます.ところが164ではタペット音と電動ファンの音です.音に関してはどうにもおもしろくない.マフラーを換えてなんとかなる問題なのでしょうか.

■ 164の場合

164ではキーを右に捻るとドアロックが解除されます.ドアが半開きの状態できちんと止まらないから注意しないと乗り込む途中でドアに挟まれます.運転席はヒップポイントが若干高めですが,はじめて164に乗ったときほど気になりません.

低いと思っていた天井も身長170cmのわたしが座って頭上にコブシひとつ分ちょっと余裕があります.フロントグラスの傾斜も155よりはきついのですが,それほど圧迫感はありません.左右についてはゆとりがあるので155のような包まれ感はありません.

スターターを回すとキュルキュルキュルキュルブォ〜っと太いエンジン音が響いてきます.最初からエンジンのフィーリングが重い.

シフトレバーを手前に引いてDレンジに入れてブレーキを離すと動きはじめます.市街地走行であれば右足にちょっと力を入れるだけでほぼ思い通りに動かすことができます.フィーリングは重いけれどフットワークは軽い.すくなくともモタモタした印象はありません.

つまりパワーユニットから受ける「印象」と実際の「動き」が異なるのです.

164155
印 象重い軽い
動 き軽い重い

155の動きが重いとしたのはトルクがモワ〜っと盛り上がってくるからであって,それはTSの魅力でもあります.

つまり164の美点はTSとは異なるのです.

中でも164LはATの4ドアセダンという点を最大限利用して普段の足として使い,趣味のクルマは別に持つというのが理想なのでしょうね.車両価格が安ければ2台体制も夢ではありません.

155TSはドライバーを包み込む「快感サウンドパッケージ」
164Lは,ドライバーを解放する「快適サルーンパッケージ」

あなたはどう思いますか?