ALFA ROMEO 164 REPORT No.15
なにかにちょっとだけこだわってみる.それだけで生活に刺激が生まれます.

え,くだらないですか?

人生を退屈にしているのは誰のせいでもない,あなた自身の考え方のせいかもしれません.「だって」「でも」「そんなこと言っても」...なにげなく口をついて出るコトバがあなたを縛っているかもしれません.

■ なぜアルファロメオなのか

いま164Lは里帰りしていて手元にありません.別にトラブルがあったわけではなくディーラーさんから商談が入ったそうです.売られていくのかと思うとちょっと寂しいけれど「楽しんでもらえるといいな」.

仕方ないから足代わりにライトバンを使っています.ちょうどよい機会なので「クルマなんて動けばいい」という意見について考えてみました.

これまでも時々思うことはあったのです.

「アルファでなくてもバンだって実用性という点では変わらないよな.なにがちがうんだろう?」

百歩譲って外見は気にしないことにしても,シートに座ったとき,ステアリングを握ったとき,スイッチ類を操作したとき,あらゆるときに「ちがい」を感じます.わたしは触覚が敏感なのです.

たしかに故障もせずによく走ります.実用車としては文句ありません.しかし運転していて不安になるのです.「万一衝突したら命がないぞ」.水着姿でバイクを飛ばしているような気分.

品質や安全性だけの問題であれば優れた自動車がたくさんあります.ところがライトバンのいちばんの難点は「運転しても楽しくない」ことなのです.ふだんAT車に乗っている人は「MTだから楽しい」と言いますが,わたしは「実用エンジン」のガサガサしたフィーリングが哀しい.いっそEVが潔い.(笑)

わたしが4ドアセダンを選ぶとき,日本車よりもイタリア車に興味を持つのは好みの問題.人とちがうクルマに乗りたいのもありますが,結局は知らなければよかったんです.155TSと出会うことがなければわたしはBMWに乗っていたかもしれません.でも一度味をしめたら忘れるのはむずかしいですよね.

いくら味をしめたとしても相手がランボルギーニではおいそれとは手が出せません.ところがアルファは決して高嶺の花ではありません.わたしにとってアルファロメオはなんとなく響きがカッコよくて,構えることなく気軽に楽しむことのできる「趣味車」なのです.ふつうのセダンのはずなのにステアリングを握るといつもよりすこしだけ気分を高揚させてくれるから不思議.

毎日乗っていると慣れてしまうけれど,ライトバンに乗りながら「やっぱりアルファはいいなあ」.いまどき164のように異国情緒の残るクルマって貴重です.

■ 164を楽しむための心得

愛車の155TS 8Vは4年目に入りましたが,先日エンジンオイル交換も済ませて走行距離3.8万km.おかげさまで快調なので家族で遠出するときも不安がありません.

レポートしてきた164Lも帰省時にリレーがすこしおかしくなっただけですが,それでも「帰りは大丈夫かな」と考えてしまいます.些細なことでも心配事が増えるとイヤなもの.いつでもどこへでも安心して乗っていけるのが理想です.そのためにメンテナンス(維持)するのです.

今年になって6ヶ月の間に3台レポートしてきた経験から164Lを楽しむための心得をまとめてみました.

  1. 中古車に乗るまえに「リセット整備」をする
  2. 弱点を知り,壊さないように優しく操作する
  3. 上記2点を踏まえて,余計な心配をしない!
  4. 性能よりも雰囲気を楽しむ
  5. 遠出する時はJAF会員証

なによりクルマに裏切られないことが大切だと思います.

突然のトラブルに「こんなはずじゃなかった」と落胆するのはつらいもの.事前に弱点と現状を把握していれば覚悟もできますし,弱い部分をいたわることもできます.かといってビクビクしていたら楽しめません.覚悟を決めたら心配するのはやめましょう.そのためにも164のノウハウを持った工場できちんと診てもらうことをお勧めします.

hisata にとって164Lは「働くアルファ」でした.

8Vとおなじレベルで楽しむなら164QVでしょう.繰り返しになりますが,趣味の1台としてではなく,すでにクセのあるクルマを所有していて「もう1台,手軽な足がほしい」というときに候補に上がるのが164Lではないでしょうか.

「クルマなんて動けばいい」という以上の付き合いをしたいなら,もう一歩クルマに歩み寄ってみませんか? マイナーかもしれませんが164Lの価値を認める人がひとりでも増えてくれることを願っています.

164万円以下で楽しむことにこだわってみてはいかがですか?