初回はEワヤマさんの原稿です.

■ M3ふたたび

最近、昔乗っていたクルマに再会しました。別にそれまでは街角で見てもなんとも思わなかったし、知り合いが乗ってきても懐かしいと感じるだけでもう一度乗りたいとは正直考えていませんでした。

この頃のクルマには少し興味を失いかけてはいましたが、それでも気になる車種はありますし、現実にロータスの340Rを手に入れて感動もしました。340Rに乗ってから運転する事がまた楽しくなってきている事は感じていました。マセラティのようなクルマで味わう楽しさとは別の運転すす事だけの楽しさを思い出していました。

そんな時にE30のM3に再会したのです。私が実際に乗っていたのは今から10年前です。当時は走る事が楽しくて仕方なく、速いFRに憧れていました。そんな自分の究極の選択がM3だったのです。初めて運転した時の嬉しさは今でもかなり鮮明に思い出せるのです。改造車ではない改造車。そんな感覚でいました。ノーマルなのに200馬力!が嬉しかったのです。今ではたいした事ないスペックですが当時は凄いと思っていました。(実は今でも凄いと思う)

M3に乗って自分の運転が少しずつ変わっていった事を思い出します。素直なハンドリングが上手に走る事の大切さを教えてくれたと思います。

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最新のクルマにはない10年モノが持つ楽しさはクルマとドライバーとの距離感ではないでしょうか?クルマを制御するコンピューターも今と比べればかなり違いますし、構造自体もかなり変わっているはずです。

進化を楽しむにしても変化を受け入れるにしても今と昔を理解しておくことは大切な事なのではと考えています。そんな事を感じ始めていた時にM3(E30)に再会したのです。ベースになるクルマに拘るEワヤマとしても納得できるクルマです。今までの流れからラテン車も候補にはあがったのですが出会いを大切にしようと言う勝手な言い訳で決定しました。

日常に使い、運転する楽しみが感じられて、保有するモチベーションが維持できて、できればお金も掛らない、そんなクルマとしてM3が成り立つのかどうかを証明してみたいのです。さすがに年式を考え必要だと思われる部分にはリセットを施しました。

まずエアコンが効かないので思いきってコンプレッサー、リキッドタンク、エバポレーターを一式交換しました。

次に、かなり減ってしまっていたフロントのブレーキローターを新品に交換してパッドも同時に交換しました。hisataさんにお渡しする前に200キロ程乗り当たりを付けてみました。初めはあまり効かなかったのですが段々良い感じになってきました。このパッドはマセラティ222系に共通のパッドなのでテストも兼ねています。粉が出にくくて良く止まると言うことなので非常に興味があります。

そして足回り。これは途中で交換する予定でしたがテストドライブをしている時にこのままでは高速道路が苦痛になると直感し急遽交換することになりました。アイバッハのコイルにコニ−スポーツ。換えてみた感じは納得できる感じです。普通に買える足としては納得できるものでした。

タイヤ交換も行いました。今までのタイヤが良いか悪いかではなく、タイヤがクルマの感じを大きく変えてしまう事を最近感じています。山が残っているからそのまま使うのは当たり前の判断ですが乗り出しに足周りを換えたのならタイヤ迄換えるもの大切かと思い、試してみました。

10年モノを気持ち良く走らせる気持ちがあるのなら必要だと感じた事は妥協しない事が大切だと今迄の経験がそうさせたように感じます。ちなみにアルミホイルまで交換してしまったのは必要無かったかもしれません。(我慢できなかった)

こうしてドイツの10年モノにトライする事になりました。今迄にトライしてきた経験をいかし、これからのクルマの楽しみ方の新しい方向を見つけたいと感じています。マニュアルでクルマを動かす事を東京で再び始めてしまったhisataさんのレポートの始まりです。