400kmのうち330kmは東名高速,残りが都内の移動で燃費はリッター9.2kmでした.今回で第1章が終わります.
- ■ 熱 都
- 夏は「やってくる」のではなく襲いかかってきます.渋滞中のM3は暑いです.我慢するしかありません.このときばかりは周囲のベンツやジャガーがうらやましい.164がなつかしい.
夏の日中はだめです.夜中,窓もサンルーフも全開で走るのが気持ちいい.街中ではスピードが出せないから1速で引っ張るのです.グゥワ〜っとなかなか良い音がします.マフラーはノーマルのはずで,アイドリングはわりあい静かなのですが踏むとにぎやかです.
やはりこのM3のエンジンはすこしくたびれているのかもしれません.200馬力近くあるようには思えません.くたびれていたエアコンと足回りは新調してもらったのですがエンジンはそのままです.不調は見られないのですがパワー不足を感じます.
エアコンをつけたまま,すっと発進しようとするとアクセルを煽ってからクラッチをつながねばなりません.世田谷の裏道でもコンパクトかつ見切りの良いボディゆえ取り回しは楽なのですが,STOP&GOの繰り返しがつらい.エンジンがくたびれていたとしてもエアコンをつけなければ苦にならないと思います.
スタンドで給油中に気づいたのですが,このM3は足回りを交換したときに車高が下がっているのです.他車に比べて着座位置が低いのは車高が低いからです.かといって段差を意識するほどのことはありません.ちょうどいい加減ですね.
都内ではBMWは至るところで見かけますが,3シリーズを見ても仲間意識は感じません.BMWに乗っているという自覚がないんですね.E30を見ることが減っているのに加えてM3は滅多に見かけません.通勤に使う人ってほとんどいないでしょう.マニアックなクルマです.M3は「移動の道具」ではなく「走るための道具」.走りたい人が選ぶクルマ.もちろん足代わりにも使えます.
★ ★ ★ たとえばエンジンだけ良くても,止まれない,曲がれないでは困ります.運転席に座ったときにがっかりするような質感でも哀しい.豪華ではないけれど安物じゃない.見た目だけではなくて,触れて,走らせて「厚み」のようなものを感じるクルマとそうでないクルマがあります.
M3には厚みを感じるし,色もスタイルもいい.最初は恥ずかしかったBBSホイールとPOTENZAもかっこいい.このM3は「所有する悦び」があります.名古屋にでも住んでいれば,こんなクーペを足代わりにするのも面白いでしょう.
「運転する楽しみ」もあると思います.このレポートの第2章でワインディングの様子をご紹介できればと考えています.エンジンが非力なだけ安全に楽しめるかもしれません.(苦笑)
「お金がかからない」かどうかは予断を許しませんが,いま乗っている感じではいきなり動けなくなることはないでしょう.とくに不安はありません.
とりたてて特別なところはないのです.スポーツクーペとしてよくまとまっています.リトモの上級版といったら叱られるでしょうか.あとはオーナーがなにを求めるか,ではないでしょうか.