ふつうに乗っていればなにも起きないみたい.燃費もいいみたい.走るゆりかごに乗って毎日の生活がモノクロ映画のように流れていきます.
ねぇ,燃料計は信じていいの?
- ■ 窓を開ければ
- 雨が上がった午後,はじめて窓を全開にして乗りました.
エンジンをかけて窓を開けて,さあ出発しようかと思ったらやかましいんです.排気音かと思って窓から首を出したらうしろじゃなくて前から音がしています.エンジンからガシャガシャとディーゼルのような音がしています.朝も暖機しないのでアイドリング中のエンジン音をはじめて聞きました.
幸い,走り出せば気になりません.BXの場合,窓を全開にして楽しむのは音ではなく風にしたほうがよさそうです.
- ■ クルマ選びの心理
- BXレポートを始めてから友人にメールしたところ以下のような返事が届きました.本人の了解を得てご紹介します.
hisata wrote: > いろんなクルマに乗ると自分の好みがわかってきます.やっぱり「踏んで楽 > しいクルマ」が好きみたい.優等生ぶったクルマや気取ったクルマは気に入 > らない.ちょっと斜に構えたクルマが好き. それは真面目なhisataさんだから、どこかで外したいという気持ちがあるんじゃ ないですか? 私は不真面目だから真面目に見えるようにつとめてます。(笑)
hisata wrote: > なるほど,クルマによって自分のイメージチェンジを図ろうとする意識って > あるかもしれませんね. イメージチェンジと言うか、本人が意識していないことも多いと思いますが、 自分に欠けていると感じている部分を補いたいという心理が車選びには強く現 れていると感じてます。
もっと真面目でありたいから真面目なクルマを選ぼうとするわけですか.実際には好きか嫌いかでクルマを選んでいるだけのような気もしますね,お互い.(笑)
そう言ってしまうと話が続かないので...
クルマ選びも自己表現のひとつだといいますが,その背景にはどういう意識が働いているのか.自分を別人に見せようとするものなのか,自分に「ないものねだり」なのか.ご自分の場合,友人の場合を想像してみてください.なお対象者はクルマ好きに限ります.
先日ルッソのEワヤマさんと会ったとき「将来の hisata 家のクルマは予想できますよ」「ドイツ車でしょ?」「なんだ,わかってるじゃないですか(笑)」.おそらくベンツかオペルのワゴン.家族の満足を優先して決めることになるでしょう.
「道具」としてクルマを選ぶならドイツ車って最高だと思うんです.
でも真面目すぎるようで気が進まないんです.まるで自分を見ているみたいで面白味に欠けます.「性格的にはドイツ車が合うはず」だと思いながらも乗りにくいんです.付き合うなら自分とちがうタイプがいい.異性だってそうですよね.
脱線ついでに独断と偏見を続けます.
自分が運転しないのなら「道具」と割り切れますが,自分が趣味で選ぶクルマはだめ.不真面目なほうが好き.ですから先のレポート車も「VWゴルフではなくリトモアバルト」という点に非常に満足していたわけです.(笑)
「無難なクルマ選び」よりも「無謀なクルマ選び」に見えたほうがいい.「いい年してよくそんなクルマに乗るね」と冷やかされるくらいでちょうどいい.仲間うちでいえば「ヤクザだなあ」というカンジ.退院して抜糸も済んでいないのにバケットシートのリトモに乗っていたらやっぱり変ですよね.
おなじヤクザでもドイツ車は威圧感があります.一方のイタリア車は多少いじっても悪者にはなりません.せいぜい不良どまり.相手がフェラーリオーナーでも「なにをバカやってるの?」と茶化すことができちゃう.(もちろん相手によります)
4ドアのクルマを探していてアルファ155に出会ったときも「無難なクルマ選び」を外すことができました.日本では「イタリア車」だというだけで外すことができるのですからカンタンです.それはフランス車でも同様でしょう.
当たり前の道を当たり前に歩いていくのは退屈.みんなが行かないところへ行ってみたい.真面目かどうかの問題ではなく周囲とちがうことをしたいのです.滅多におなじクルマに出会わない点もリトモはよかった.
さて,そういう意味でBXはどうなのか.
リトモよりは見かける機会が多いけれど,それでもマイノリティです.フランス車はドイツよりはイタリアに近い.ノリが軽いし能天気なところがあります.優等生ぶってもいないし,気取ってもいない.けれどBXはちょっと澄ましたところがある.イタリア車のほうが陽気ですね.BXはポーカーフェイスでいて,それでも足回りにオリジナリティがあるからそれなりに楽しめる.
BXに乗っているとどんな人間に見られるのか興味があります.
おそらくメルセデスともアルファロメオともイメージはちがうはずです.スーツ姿で運転していれば,すくなくとも走り屋ではありませんね.こちらが意識するほど誰も気にしちゃいないのですが,クルマを換えればイメージチェンジできるというのは愉快.
一般にBXは「ちょっと小粋な欧州車」「サイズも値段も手頃」だと認められているようです.運転しやすいからユーザー層も広い.それはわたしも否定しませんが,なんだか気に入らない.ちょっと出来すぎじゃないですか?
BXの化けの皮を剥いでみたくなってきました.思い切り踏んだらどうするだろう? そこそこ着いてくるのか,こないのか,あるいは落とし穴が待ち受けているのか.平和な生活にも飽きてきたから,そろそろ本気でいきましょうか.