BX REPORT No.10
週末,さわやかな天気だったのでBXと155を2台並べて洗車しました.

シルバーの155は汚れが目立たないのですが洗うと真っ黒でした.きれいになった2台を眺めていて気づいたのが「ボディは光沢があったほうがきれいに見える」こと.BXは光沢が失われつつあって,それが質感にも影響するようですね.

■ 10年物の着こなし

前回のレポートの冒頭に「この車両価格でこれくらい快適なら上等」と書きました.車両価格のこなれた「10年物」になるとオーナーも多くを期待しないんですね.

どこかが気に入って乗るわけですが「安いのはいいけどあまり故障しないでね」と祈っているというのが現状ではないでしょうか.祈るだけではうまくいかないから最初に手を入れるべきところは入れておくことです.的を射た整備を行えばしばらくは大きな問題は起きないはずです.

一方わたしたちは新車には厳しい.車両価格がどうであれ「新車なのに○○なのは許せない」ということが多いように思います.「エアコンの効きが悪い」のはもちろん「塗装が荒れている」「トランクが閉まりにくい」「エンジンから異音がする」などというのもクレームになります.気持ちはわかりますが「10年物」とのギャップはなんでしょう?

それは百貨店でスーツを新調するときと,カジュアルショップでブランド物の古着を探すときの感覚に似ているように思います.

実際には「古着がおしゃれ」なことはあっても「中古車がおしゃれ」なことはまずありません.「中古車」という言葉には貧しい響きがあります.だからここでは「10年物」と呼んでいるわけです.将来「20年物」が登場するかもしれません.

クルマに大金を投じることもしないし「多くを期待しない」から気負いがない.周囲の予想に反してトラブルフリーで「10年物」を気軽に楽しむなんておしゃれだと思うんだけどな.

■ ジャケットをぬいで

これまで特に気にしなかったエンジンルームをのぞいてみました.

両脇に見える緑色の球体がスフィアです.エンジンの真上にウェーバーのキャブレターが1基のっています.先日ルッソで CITROEN Xantia のエンジンルームを見たら,緑色のスフィアはおなじでした.つぎに思ったのが「おや,キャブレターがないぞ」(笑).

今年はほとんどキャブ車にばかり乗っているので「キャブレターが標準」になってしまっています.アイドリングが不安定でも右足でなんとかなります.信号待ちでPレンジに入れてアクセルを煽ることだってあります.

キャブレターの調子の悪いクルマって乗りにくいけれど乗れないわけではありません.クラッチが滑るよりはマシ.程度問題です.毎日乗っていれば慣れます.個人的にはわざわざキャブ車を探そうとは思いませんが,手頃なクルマを探していて,見つかったのがキャブ車だったとしても気にしません.

フランスの実用車って気負わずに乗れて,しかもちょっとだけおしゃれな感じ.アルファロメオのようにドライバーを「駆り立てる」クルマに疲れたときはシトロエンはおだやかな気分にさせてくれます.

ジャケットをぬいで,自分が自分らしくあるためのクルマ.そんな視点でクルマを探してみるのも面白いかもしれません.