LUSSOでは「いまALFA ROMEOやMASERATIに乗っている人たちが次にサルーンを選ぶときの候補にジャガーはどうだろうか」と考えています.それが手頃な値段で安心して楽しんでもらえるのかどうか.壊れ物みたいに神経をつかわずに乗り倒しても大丈夫なのか.そこが知りたいのです.

でもDD6を「乗り倒す」のはちょっと気が引けます.ジャガーの中でも特別なモデルですから,敬意を表して丁寧に扱ってあげたいと思います.

■ ダブルシックスの法則

  1. ダブルシックスは空を飛んでいるのでSTOP & GOは苦手です.(止まると落ちます)

  2. 曲がるときも直角には曲がれません.ゆるやかにカーブを描きます.

なぜ12気筒なのか.

それは単なる贅沢だと思っていました.そこまでは要らないけれど「奢ってみました」みたいな感じ.それが高級車志向の人に受け入れられた,と.

「この滑らかな回り方が12気筒ならではなのだ」と言われればそうなのかもしれませんが,それはわたしにはわかりません.昔ならば「1発か2発死んでても平気な顔して走らせるために12気筒必要だった」と言われれば説得力もあったでしょうが,現代ではそんなエンジンはそもそも通用しません.

「高級車はいかにアクセルを開けずに走ることができるかが勝負」みたいな話も聞きますが,わたしは興味ありません.回転を上げたときにがっかりするエンジンも少なくありません.だからそのクルマを知るには回してみる必要がありました.

このV12には恐ろしく躾のいい猛獣が隠れています.普段は決して爪を見せたりしません.それを引き出すにはちょっとコツがあったわけです.

それまでのMTから,ALFA164でATに乗るようになって学んだことがあります.

AT車を知るにはまずミッションの仕組みとクセを知ること.そうしなければそのエンジンの力を引き出すことはできません.絶対値としての最大出力や最大トルクはあまり参考になりません.クルマは計算機の中ではなく現実の世界を走るからです.

なぜ,そこまでエンジンの性格を知りたいのか.

それは納得して乗りたいからです.そうじゃないと心から楽しむことはできないし,クルマに対しても失礼だと思うのです.できることなら谷田部のテストコースを走ってみたい.(笑)

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ガソリンタンク容量は90リットルということなので,左右で45リットルずつなのでしょう.すると燃料の残量計も45リットルが満タンで表示されているはず.それが高速を走っていてもどんどん減っていきます.やはり大喰らいなのでしょうか. 用賀で東名高速を下りて環八に入ると,またボディサイズを意識します.名古屋に比べると車線が狭いのです.

「ここがおまえがしばらく暮らす街だよ」.

昨日はよそよそしかったダブルシックスも,すこし気心が知れたので身近に感じられます.お互い,仲良くやっていけそうです.