- ■ 初恋相手との出会い
- デルタにはちょっとした思い出があります。
今から遡ること10数年。当時の私は免許を取得するかしないか位の時で、WRCではデルタとセリカが激しい戦いを繰り広げていました。そんな場面をテレビで見て、素直に「デルタってカッコイイ!」と思っていました。ヒトは、カッコイイと思えば、手に入れたいと思うのはごく当たり前のことで、実際私もそう思っていました。
しかしながら、学生になったばかりの私にとって、それを購入することはきわめて困難な状況にあり、それでもテレビを見ては「カッコイイけれど買えない」と思っていました。そんなことを何度か繰り返しているうちに、なぜか「セリカも悪くないこれなら買えるかも」というデルタを買えないことを金銭的な問題だけのせいだけにするのではなく、「セリカもイイ!」という自分の嗜好性の変化という理由にすりかえて(半ば無理やり捻じ曲げられていますが)、初めてのクルマとしてセリカを購入したのでした。(しかもGTーFourは買えなかったのでGT−R)そんな私にとっては訳ありのクルマがデルタなのです。
そして、私の手元にデルタがやってきました。今回のレポート車両は1993年式の白いエボIIで走行距離73000kmです。
まずは外観をご覧になってください。外観でまず目に付くのは、前方から見ても後方から見てもやはりフェンダー部分ではないでしょうか。最近の「本当は速いのに見た目は普通」という多くのクルマの中で、デルタのような見た目も中身もヤル気マンマンというクルマはある意味たいへん正直なクルマであると思います。もっとも、生まれた時代も違えば生い立ちも違うといってしまえばそれまでですが。
しかし、内装は正直者とはいえません。確かにスパルタンな雰囲気を醸し出してはいるものの、アルカンタラという高級素材を多用している点などは、個人的には高級車のランチアというメーカーらしいとは思いますが、デルタらしくはないと思いました。しかしながら、実際は見た目とは裏腹にホールド感のあるシートでやはり「走る」ということをかなり意識しているようで、私の意識が過剰といったところでしょうか。
さて、この車両の中身はどうなっているのでしょうか。また、日常の足として使うことは出来るのでしょうか。次回からのレポートでこのあたりについて報告します。