■ 大切なひととき

通勤の足としてデルタはどうなのでしょうか?

私の通勤時間は20分と短いのですが、名古屋市の東にある丘陵地帯(東山)を通ります。この道はデルタにとってそして私にとっても最高に居心地が良い場所に思われます。マセラティに乗っていた頃からずっとこの道を使用して通勤していたのですが、その頃とは明らかに違う自分を感じます。

というより、クルマから聞こえてくるささやきが違うといったほうが良いでしょうか? マセラティの場合、コーナーが近づいてくると「そんな勢いでは私はいやです。何かあった場合あなたが責任を取ってくださいね」といった声が聞こえてきて、思わずスピードを落として流すのですが、デルタの場合「もっと勢い良く入っても大丈夫ですよ」とか、スピードを落として進入した場合にはコーナリング中に「もっと踏んでもちゃんと曲がりますからもっと踏んでみたら?」という声が聞こえてきます。

半信半疑、右足に力を入れるとどうでしょう、クルマの鼻先はどんどん内へと向かい、直線よりコーナーの方がスムーズかつ確実に加速していくかのような感覚に陥ります。これは本当に気持ちがイイです。また、コーナー進入時のステアリングの応答性も気持ちがイイです。スゥと切るとスパッと入るといった感覚。わずか5分程度の道ですが、本当にデルタを手に入れて良かったと思う瞬間です。

しかしながら、デルタのすべてが最高かといえばそうではありません。たとえば低速トルクが細いので、3000回転以下のブーストがかかる前ではお世辞にも良く走るとか扱いやすいということはなく、結構扱いにくいクルマであると思います。また、足が硬いためゴツゴツした感じで、乗り心地は良くありません。

しかし、ちょっと曲がりくねった道などではこんなに面白いオモチャはないのでは・・・。今まで乗り継いだクルマたちとは性格が違うクルマと出会った事により、ちょっと違う自分に出会えたような気がしました。

次回はこのデルタでちょっとイタズラというか実験をしてみたいと思います。